気になる人 その1 | Saishoku==彩色==

Saishoku==彩色==

今を見つめたい 今日この頃

同じ歳の人に関心がでてきた
作家の平野啓一郎さん

大好きだったモデルの春香さんが伴侶に選んだ人で
現代美術を透明感のある文章で語り
瀬戸内寂聴さんと美輪さんが取り合ったと・・
本で読んで 興味が増す
テレビで野口健さんと死について語っているのを見て
やっと本を手に取った

芥川賞『日蝕』は正直よくわからず・・・
『ドーン』『決壊』など、テーマによって文体も変える
こだわりに驚く

が、一番ひっかかったのはこちらの本

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)




個人というものがあるのではなく、
場や人に対する時々の自分が統合されて自分を形成している
分人という考え方に共感

仕事を辞めて海外赴任に同行
帰国後、妻と母という分人だけになった時
きつかった

振り返れば
学生時代も社会人の時も、バイトや習い事という
大学と会社とは別の場、人を必ず持ち、
バランスをとっていた

人一倍、いろんな分人を必要とする人間なのだ

仕事がすごく好きなわけでも、できるわけでもないけど
社会との接点としての場として
自分に必要な場なのだと思っていた

が、仕事をしている時の自分が割と好きなことに
気が付いた
何をしている時の自分が好きなのか
振り返るきっかけになった

平野さんはすごく思考が深く、
人の話をじっと聞くことのできる人なんだと感じた
知識と思考に裏打ちされた一言の重みを持ちつつも
人として重い存在では決してなく、
ファシリテーター的な場もうまくこなす

興味深い方だ