最後まで読みました。『太陽を曳く馬』
太陽を曳く馬〈上〉/高村 薫
¥1,890
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大好きな作家である高村薫さんと、マーク・ロスコの表紙
至福の組み合わせ
しかし、なんとも難解です。
高村さんの本はほとんど読んでますが、確か『新リア王』は
途中で挫折した記憶が・・・
上巻の画家の心理描写は、圧巻
下巻の宗教(オウムも)の問答は、雰囲気しか理解してませんが、
なんだかすごかった
まったく理解できない犯罪が多い世の中で、
なんだかわからない、と人が言い捨ててしまうことに真正面から
向き合った作品だとはいえると思う
向き合って、言葉をつくして、語ること
結論を出すよりも重要なこと
手紙のやり取りの中で、あえて旧かなづかいにしてある部分があるのだが、
確かに、旧かなで伝わる何かはあるように思った。
現代かなづかいでは伝わらない何か。
漢字はそれ自体が表現手段であり、言葉ではなくニュアンスをもつものなんだと。
偶然というか、時を同じくして映画の『禅』を見た。
なんでCG使っちゃったんだろう・・・という感じ。
まるで、そこにそれがいるかのように演技できるのが役者で、
それができそうな役者さんが出ているのに、GCで「見せちゃった」
見せちゃったことで、損なわれたものは大きいような。
宗教を扱った映画で、CGはないだろう。。趣も、味わいもなかった。
すべて「見せない」で、「伝える」こと
すべて見せないがゆえに、伝わること
伝えたいものを伝える時に、あえて抽象的な、ニュアンスのある、
雰囲気のみを手段とした方が、本当のことが伝わることがある。
それは、すごく感じます。