ババアは外で働いたことが一度もない





社会経験が乏しいせいか年代のせいかはわからないが、はっきり言っておバカさんである





一見普通に暮らせているのだが、一般常識が抜けていたり、理解力がなく何度も説明しても伝わらなくて全く会話にならなかったり、はたまた勘違いして覚えていたり、




初めて気付いたときは、母親なのに、年上なのに、こんなことも知らないの!?こんなこともできないの!?とびっくりしたものだ





まあ、今思うとお願いしますも、ありがとうもろくに言えないくらいだから一般常識がわからなくて当たり前なんだけど





そんなババアなのだが、プライドだけはものすごく高いのでもうどうしようもない





バカなくせに、いやバカだからこそ?誰かの上に立って威張り散らしたくてしょうがない




そう、大学教授のように誰かに何かを説き伏せているその瞬間、ババアの腐った脳内からはドーパミンが溢れ出て、たまらなく高揚した気分で気持ちがいいのだろう






ババアはよく私たちを相手にご高説を垂れる






もちろん、今まで培ってきた経験からくる知識やババアの考えや意見ではない





全てババアが見たワイドショーで言っていた事だ






その陳腐な内容を恍惚とした表情で語るババアの相手こそ時間の無駄を感じるときはない






ある時は流行りのロングブレスダイエットについてだった




「東大教授(こういう肩書き大好きwww)の○本先生がおっしゃってたの!!これでね、えっとなんだったかしら?インナーなんちゃら?を鍛えるのよ!!えーーー、なんだったかしらね??いやだ、ど忘れした。インナー?インナーなんだっけ、とにかく内臓の機能を高めて痩せるのよ。これでね、タレントの、ほら、最近テレビに出てるしょ?誰々の息子さんで、あーー名前が出てこない!お笑いで、歌も歌ってる、あーー誰だったかしら?とにかくその人も5キロ痩せたの!(もはや話のほとんどが分からない)いい?ニモさん?やっぱり代謝をあげることが大事なのよ!!私も早速始めたら朝起きたとき0.5キロ減っていたのよ!!ドヤ( ・´ー・`)」





こういう話が始まるとまたか、と思いながらも私は会話を繋ぐためババアが喜びそうな答えられる範囲の簡単な質問を投げかけてやる




「1日どのくらいするんですかー?」



「どうやってするんですかー?」



「わあ!すごいですねぇー」など優しすぎるな、私





大体、大まかに分けるとダイエット部門と健康部門、生活の知恵部門があり、これがババアの関心の全てなのだろう






しかし、いかにもテレビの企画に煽られただけな感じで私はそういった類が大嫌いである





なのに目の前でまんまと煽られたババアの話に耳を傾け、ほうほう、ふむふむ、そうなんですか!とタメになったふりをしなくてはならない





はあ、馬鹿らしい




ちなみにこの時はまるで自分が考案したさも素晴らしい発見のように話すのだが、たいていは試していないし、試していたとしても続かない




三日坊主も甚だしいのだ




「前言ってたのまだやってるんですかー?」




などと言っても




「前?ああ、あれねー、もうやってないのよ」





となり、私はズコーーー!!とズッコケ、あの時の時間を返せと叫びたくなるのだった





継続する努力なんてしたくない、でも、偉そうにしたい





そう、結局は、テレビで見聞きしたことをまるで自分の意見として私たちに説明して、気分は大学教授!ワテクシ、偉人!気分を味わったらあとはどうでもいいのだった