20世紀少年、それと、完結編の21世紀少年上・下巻の計24冊。 | ☆ねもの美味しいものメモ。

20世紀少年、それと、完結編の21世紀少年上・下巻の計24冊。

初めてのブログが、このネタです。
ブログ作る意図とズレルけど、なんとなく載せたいと思います。


公開されてる映画が気になり、
細切れで読んでた漫画を、一気読みしました。
スラスラ読めて、分りやすいので、
何度も読まないと内容が分らないってことは、無いと思います。



※ややネタバレと、超ネタバレを設けました。
空白と、赤文字区切りです。





















結論を纏めると、虐めが主役で、それを描写したマンガです。
「嫉妬狂い」と、「虐めの恨みは、墓場まで。ではなく、それ以上。」
読み終えて、最後の最後で思い返す、本当に友達が居ないとは、どういう事なのか?
それを恐怖として描写してると思う。

そして、事件の真相に近づく度に、
個々の些細な積み重ねが、あの時ああしてればと嘆くのです。
可愛そうなケンヂ...そして、全世界。


振り向いてもらえない。注目されない。
それは死を意味しているのです。
それが、怨念へ変り、ケンヂ達に注目される為に、奇怪な犯行へ移ります...
幼少の過去に起きた当時の発端を、当事者に徹底的に思い出させ、
存在を確かめさせ、戒める為に呪うかのようです。
そして、それは、
マネのマネをして、のっぺらぼうの自分の存在を思い出させる為に。


20世紀少年は、1~22巻まで有るけど、
中盤までの、トモダチの正体を巡るまでが面白く、
ストーリーは、練りに練られ、欠点がない感じ。
むしろそこで完結されるエネルギーを感じる。

が、後半グテグテ。
連載の引き延ばしって思えても仕方ない感じ。

何度も生き返るし、実は違うしの連続だし、
常識で読んでいたら、絶対に見落とす穴です。
そして、それが有るが故に、作者のモチベーションや
情熱が下がる展開に読めてしまう。
ただ、ラストシーンを考えると、ねじれてていい感じですが...
なので、作者の纏めるバランスがなにより秀逸に思う。
全ては意図的だと思うし。


前半のスリルは、リアリで、怖く、ドキドキします!!!
常に追われながら、そして、それと逆行しながら、
立ち向かう所に緊張感が有り、手に汗握ります。

お面の下は誰か?

見てはいけないモノを探りながら見る緊張感が怖い。
バーチャル世界のお面の中の顔は、超トラウマです...汗


そして、後半で稚拙な非現実を魅せる事で、リアルから遠ざけ、
危険な模倣や、マネをするって事を、抑止させてるのかも。
ただコレは、後に分る新予言の書の作者の思考から来ている事だけど。

主人公は、忘れていた過去を、絶えず思い出す作品。
なので、構成は、こまめに時間軸が切り替わり、
現行、過去、バーチャル過去と、「トモダチ」が関わる
昔の出来事や、事件は、ダレなのか?と、探るシーンが怖くも面白い。

読む感覚としては、
再生させると、チャプターが飛ばされる感じ。
そして、それらが後々回収され、1つに繋がります。
この物語を、推敲して、時間の経過をさっぱりと纏めると、
もっと読みやすいかな~。なんて思うけど、
サスペンスを引き出すなら、こんな手法が魅力的だと思います。


ストーリーは、引っ張って、引っ張って、付け足して、更に引っ張って~
付け足して、付け足して....と、絶えず肉付けする感じ。
正体が分るまでに、何度も裏切られ、まだかよ...
と、ねちっこく、永遠焦らされます....
そして、ケンヂ一派は、不死身かよ!
と、
常識で読むとちょっと白けるかも。

世界を危機へと貶める手段が、大きく3段階有り、
第1弾は、致死率100%な、エボラ出血熱な、細菌兵器。
第2弾は、その強化版。
第3弾は、反陽子爆弾で、非現実的で、恐怖感が弱いです。
が、稚拙な世界になったのは、後の「トモダチ」の作用なのです。













ここから、マジネタバレすると...



主人公ケンヂは、宇宙特捜隊のバッチを、駄菓子屋で万引きし、
駄菓子屋のババアが、バッチをパクられた事を後で気付き、
犯人探しをします。

お面を被った、そのバッチを付けてた同級生が、
駄菓子屋のババアに誤認で捕まり、ヒステリックに詰められます。
その光景に驚き、子供達が集まり、当事者が辱められ、
「お前は今日で死にました。」と、幽霊扱い。
この事件で、「カツマタくん」は、誕生したのです。
そして、その事件で、みんなの前から死んだのでした。

理科の授業のフナの解剖の前日に死んだ「カツマタくん」。
その後、幽霊扱いの虐めにより、皆の記憶から消え、
存在が消えたのでした。
幽霊は存在が無く、見えないので、踏まれたり殴られたり虐めを受け、
注目されぬまま、生き、存在しながら、みんなの前から死んでしまい、
最後まで、記憶から消されてしまったのです。
なので、余計にダレも思い出せなかったんだな。。。
その人物を核心として扱った事が、ハイセンスに思う。

そして、「カツマタくん」には、生涯友達が居ません。
仲間だと思ってた、フクベエや、ヤマネですら、
コレはありえないと、新予言の書をバカにしたのです。
そして、バッチの件も有り、虐められ、幽霊扱い。
後に教団に入っても知り合いは居なく、皆から誰だと不審がられます。


「トモダチ、カツマタくん」は、
幼少期のケンヂ達の関わりは、皆無に等しく、噂話で出て来る程度。
「トモダチ」が死んでから、
地球防衛軍や、UFO、反陽子爆弾や、火星への逃亡と...
新予言の書を実践しようと、
稚拙だとバカにされた自分の野望を実現させる為に
顔はフクベエに整形をし、マネのマネをし、天下を取ろうとします。
ただ、稚拙故に、大抵の人がついて行けなかたのです。

この辺は、行商をしていた万丈目の関わりで、
マネのマネが世界を制するのの伏線に繋がる。
そこに、初代「トモダチ」と違う恐怖感が有るんだな。


でも、「カツマタくん」の正体は、見ていたんだ。
きっと、誰にもかまってもらえずに、「遊ぼうよ」と、問いかけてた
太陽の棟で現れた子供の人形がそれだと思う。
自殺を抑止した最後の最後まで仮面をつけていた事が、より恐怖なのです。


バッチの事件で、幽霊扱。そして、顔が出て来ない。。。
それは、理科のフナの解剖授業の前日に死んでしまったと、
伏線が回収されてるのに、顔を出さない事を、読み手へ伝えるって、


それで良かったの?


と、問いただしたくなるけど、
それこそが、この物語の核心で、
人類滅亡した世界より怖い、リアルな恐怖感なんだと思う。
その恐怖は、虐められ、ひとりぼっちになってしまった
「カツマタくん」の心境に重なるんじゃないかな~。
空白で何も無い予定と。

読者に考えさせられる事として、
そんな同級生の1人や2人居ると思い起こさせる。
思い出せる?のっぺらぼうを?って。
それがリアルで怖いんだな。



21世紀少年の最後と、20世紀少年の最初を読み返すと、
矛盾しながらも完璧な作りになる。

あの日、何かが変わるだろうと流したラブ&ピースのロックは、
「カツマタくん」の自殺を抑止し、
ケンヂを、悪の大魔王へと仕立てた最悪の出来事でした。

ラブ&ピースのロックでは、世の中は変わらない。
そして、音楽祭でも理解されなかたのです。
が、カレーライスの歌で、何十万の人々が集まった。

コレは、バカにされた「カツマタくん」の、新予言の書と
重なる比喩だと思う。


世の中とは、そんなモノなのかもしれないと。