ちょっとニュースになってて気になったのですが、某病院で、腹痛や下痢を主訴に受診した16歳の高校生、はじめは胃腸炎と診断され整腸剤で経過観察となり、翌日入院して夜間に急変、そのまま3日目に亡くなったというもの。

ニュース記事しか読んでないので、詳細は不明なんですが、記事によれば、画像で胃の拡張所見があり、そこから上腸間膜症候群も疑われたが、適切な胃の減圧もなされず、死亡に至った、、という。

 

ところで上腸間膜症候群ってなんなの、っていう話なのですが、おなかの中の構造で、背骨の前に大動脈が上から下にズドーンと走っていますが、その真ん中あたりから、腸を栄養する動脈である上腸間膜動脈という太い血管が分岐しています。

分岐した上腸間膜動脈と大動脈の間を、ちょうど十二指腸が通る構造になっているのですが、この分岐の角度が浅いと、隙間が狭くなるので、十二指腸が挟まれてしまう感じになります。

十二指腸は胃で少し消化された食物残差が通りますが、道が狭まれば当然食物も通らないので、おなかがパンパンに張って嘔吐してしまう、ということになります。

上腸間膜動脈症候群は、生まれつきこの上腸間膜動脈の分岐の角度が浅い人、さらには内臓脂肪もないようなやせ型の人で起こりやすいと言われています。

(図は大動脈を縦割りしている図、日経Medicalの記事より拝借)

 

るいそうのある若い女性の腹痛、問診で重要なのは?(4ページ目):日経メディカル さん

解せないのが、この上腸間膜動脈症候群ですが、多少見逃したところで致死的になることはあまりなく、しかも患者さんは下痢も出ていたので、通常、十二指腸以降残渣が流れないと便も生成されないのになーとか、ちょっと症状と合わなかったりするのかなーと思ったりして。

考えられるとしたら、腸がぺっちゃんこに潰されて、何も通らず、吐きまくって脱水もしくは電解質異常がひどくなって急変したのか…でも、そんなになるまでなにもしなかったなんてことありえる?


いずれにせよ、体に相当負担がかかる状況だったことは間違いなくて、研修医の対応がどこまで正しかったかもわかりませんが、少なくとも2回も3回もしんどくて病院を受診するような人を、研修医任せにしないで、上級医がきちんと見ていたらこんなことにならなかったかもしれないのにな、と思います。自分で自信を持って帰宅させたのか、上級医に聞こうにも聞けないような状況・雰囲気だったのか、知る由もありませんが。。。

 

きっと避けられる死だったのではないかなと思うので、きちんとした死因や、改善策がなされることを心から願います。


いつでもどこでも虫取りが始まりうる我が家においては、車にいつも網積んでますが、これが折りたたみ式で伸びる式で、結構頑丈なおかつリーズナブル!おすすめです。釣りのときのタモみたいな構造。

ただし、今!網!ちょうだい!みたいな時には、ちょっと焦ります💦