先日子供が近くの田んぼで遊んでいたら、錆びた鉄の棒があってそれで怪我したのー、と帰ってきました。

傷自体はそれほど深くなく、自分でよく洗ったということで特に問題なく治りましたが、土の中によくいる菌で、破傷風というものがあり、一応注意が必要だよ、という話しをしたところビビり散らして完全に治るまでチェックさせられました。

 

破傷風菌は土の中、空気の届かない深いところに住んでいる菌で、怪我が元で体内に入り込むとそこで、増殖して毒素を作り出します。

破傷風の主な毒素は神経毒で、次第に体が自由に動かなくなり、全身の強直性痙攣が起こります。

破傷風でよく知られている初期症状は、開口障害、つまり口が開けにくくなることです。首周りの筋肉が張ったり動かしにくくなったりすることもあります。

病気が進んでくると、顔周りの筋肉が痙攣し、無理矢理笑ったような顔になることがあります。これを火傷風顔貌と呼んだりします。

さらに、病気が進むと、体全体の筋肉が硬直し、弓形に反ったような体勢しか取れなくなります。

この時点で破傷風菌が死滅していても、毒素を取り除くことはできないので、最悪の場合、死に至ります。

 

現在、子供の定期接種ワクチンでは、3種混合、4種混合、もしくはこの4月からも5種混合になっていますが、このワクチンの中に破傷風に対応できるものは入っています。ただし、接種から10年経過すると、ワクチンの効果は下がってくるので、今の子供たちは定期接種だけだと臥床。ワクチンは1歳台で打ち終わっていることになるので、10歳以降の子供が、汚い土で汚れるような怪我をしたときには、注意が必要です。

病院には破傷風トキソイドは常備してあるので、気になる場合は相談されるといいと思います。

 

あ、ちなみにビビり散らした子供は、劇症型溶連菌感染症の予防にも余念がないので、外から帰ったらきちんと手洗いするようになりました。たまには脅すのもいいよね。