今回は少し趣向を変えて、症状からの鑑別診断を挙げてもらうという方式の問題でした。

 

小児科では発疹の訴えはよくありますが、水疱形成する発疹と言えば、そこまで多いわけではありません。

正解はズバリ、

 

①水痘(水ぼうそう)

②手足口病

③伝染性膿痂疹(とびひ)

の3つです!

 

このうち①と②は、受診の時期によっては鑑別が非常に難しいこともよくあって、皮膚科の先生から小児科に相談が来ることもよくあります。通常手足口病はその名の通り、発疹も手足口に限局しがちですが、実のところは結構お尻回りや口回りにも発疹が出るし、おなかや背中に発疹があるからといって否定はできません。また、両者とも熱があってもなくてもどっちもあり得ます。さらに、水ぼうそうはワクチンで発症予防はできないことがありますが、ワクチンを打っているととても軽くなるので余計に診断が難しくなります。

とびひは上の二つと違って、発疹自体に分布の偏りがあるのと、じゅくじゅくが強いので比較的わかりやすいですが、たまにふわっと広がっていてわかりにくいことがあります。

 

最近になって、水ぼうそうウイルスの診断キットが開発されたので、診断にかなり役立つようになりました。

手足口病だと思っても念のためにキットを使ってみたら、水痘だった!あぶな!ってこともありました。というのも、水痘だと本来登校禁止期間がありますが、手足口病の診断であれば熱さえなければ登校できちゃうので、感染力の強い水痘を集団の中に解き放ってしまうことになるからです。水痘の治療は、ひどい場合には抗ウイルス薬を使うこともありますが、副作用もけっこうきついので、私はあまり積極的には使いません。そもそも、ワクチンしていると本当に軽いし。

 

ちなみに、この3つを診察で鑑別しようと思ったら、やっぱり発疹の分布が大切。

結構均一に、頭皮までしっかり水疱が見られれば水痘が疑わしい。逆に頭皮に発疹のある手足口病って診たことないかも。

口回りおしもまわり、手のひら足の裏に発疹が多い、そして咽頭や口腔内の発疹を痛がる場合は手足口病。目やにも多い。

もともとアトピーがあったり、6月くらいのじめじめした時期だったり、発疹がどこかに集中していたり癒合していたり一塊になっている部分があったりしたらとびひ。左右差があってもとびひ疑います。全身くまなく探すと、案外わきの下とか髪の毛に隠れて親玉がいることがあります。あ、アトピーと言えば、カポジ水痘様発疹症という病気もあって、アトピーにステロイド使っているところにヘルペスウイルスの感染が起こるやつで、厳密に言えばこれも鑑別にあがりますね。(じゃあ4つじゃん!とは言わないように)

 

水疱もなかなか奥が深いですね!

 

 

子どもの日焼け止めはここ数年これを使っています。

べたべたしないし、いい匂い♪とみんなお気に入りです。