医薬品に限らず、市販のものでも、一般的な外用薬の塗り方について。

 

外用薬を処方していてよく思うのですが、

「塗ってもよくならない」という人は、ほとんどが正しく塗れていないというのが原因です。

そして、そのほとんどが「量」と「塗り方」に集約されます。

 

まずは「量」。

FTUと言われますが、外用薬にはその塗るべき適量というものがあり、決まった量を塗るということを守ってはじめて、治験や副作用判定ができるというものです。

FTUとは、Finger Tip Unitの頭文字の略で、人差し指の第一関節の上にチューブ外用薬をのっぺりと出した量が、「1FTU」という単位であると定義します。もちろん指の長さは多少個人差があるものですが、ここでは無視。

そして、この1FTUが、だいたい外用薬1g分に相当します。

外用薬塗布に関しては、1FTUあたりの量を、大人の手のひら2枚分の面積の皮膚に塗るというのが基本です。それ以上でもそれ以下でもありません。きちんと塗ると、例えばヒルドイドなんかはうっすら白色が残るような感じになるし、よく言われるのは、ティッシュがちょっとくっつくくらいにべたつくくらいが丁度の量ということです。

ステロイドなんかでも、「お薬だしあまり塗りたくない」という心理が働いて、ほとんどの人がこのFTUを守れていません。というか、そもそも、処方するときにきちんとFTUの話ができる医師ってどれほどいるのだろうか、、、と思ってしまいます。そもそもそれが一番の原因かもしれません。

 

次に「塗り方」。

これは量のほうにも関連しますが、少ない量を塗ろうとすると、どうしても皮膚をこするような、お薬を擦りこむような塗り方になってしまいがちです。これは、健康なお肌に保湿剤を塗る程度ならなんら問題ありませんが、かさかさになっていたり、すでに赤みがあって炎症してしまっている肌には逆効果で、肌をこすることで角層がさらに痛んでしまったり、刺激によってかゆみが出たり痛みが出たりしてしまう原因になります。

塗るときにはあくまで「のせるように」塗るのが原則。私たちの美容液も、お肌にゆっくり浸透させるように、押し込むように塗る、とかっていいますが、それと同じような感じです。化粧水をお肌にゴシゴシ塗り込む人なんていませんもんね。お風呂上りに外用薬を塗る人が多いと思いますが、お風呂上りは表皮もふやけて肌も傷つきやすくなっていますので、より注意が必要ということですね。

 

外用薬を使うとき、この2つを意識することで、かなり状況が変わります。

まぁ、多くはそんなこと意識しないでもちょちょっとお薬塗って、それで終わりっってなるような軽症なのでどっちでもいいのかもしれませんが、よくならないとか、再発してしまうとかっていう場合にはぜひもう一度塗り方を見直してみてください。

 

 

保湿剤としての保湿効果では、ワセリン(=プロペトとほぼ同義)に敵うものはありません。

ベッタベタになるのが玉に傷です。

 

 

 

関係ないですが、最近買ったのでイチオシの氷嚢。

100均のを使ってましたが、やはり高いだけあってめちゃおすすめ!