久しぶりのドクターN、つい最近あったシリーズ。
13歳の育ち盛りの男児、ごはんは食べても腹痛が強く、そのうち腹痛が起こるのが嫌で食欲もなくなってしまいました。体重が1割も減り、日常生活でもお元気がないのが目立つようになってしまいました。
13歳と言えばいろいろ多感な時期でもあり、外来でも、「13歳、腹痛」とか「12歳、頭痛」とかいう主訴を見ると、「あ~、きたか。。」ってちょっと身構えてしまうくらい、難しくもある時期です。(この時も、患者さんを呼び込む前のほんの2,3秒で問診票に目を通しながら、「あー、またちょっと心がしんどいやつかな」って思ったことを白状いたします。)
ところが、入ってきてもらった子供を見ると、顔面もやや蒼白、やせぎすで生気もなく、かなり消耗している様子。
これは、病気だな、と直感しました。
で、いろいろ聞いていると、食べる気はあるが、食べたらすぐおなかが痛くなること、最近はそのせいで意欲も減ってしまっていること、活動性も落ちてしまっていることが分かり、さらに体重が1割近く落ちていることも聞きました。
そうなってくると気になるのが栄養状態です。育ち盛りの子供さんは、胃腸炎で数日食べられなくても、体重が1割も減ることはめったにありません。もちろん、人間の体の70%は水分なので、急激に脱水に陥ればありえなくはないですが、そういうことを起こす急性胃腸炎にしては、病歴が長すぎる。
というわけで、生命を維持するための水分や栄養分が足りているのか、今現在体でどのようなことが起こっているのかおおまかにチェックする必要があり、そうなるとまずやらなければいけないのは、血液検査です。
というわけで、正解は②血液検査。
ただし、この問題、自分で作っといてなんですが悪問でして、この選択肢の検査、別に全部同時ですることができる年齢・時代なので、だいたいは同時進行で手配していくことも多いです。その中で、①内視鏡検査 は、消化器内科との連携が必要になるのと、当日には実施できないため一応外せる、③は放射線被ばくのことを考えると、すぐに手術するかどうかの判断をするとき以外は第一選択にはなりえないので、消去法でも答えは出ます。
で。
これは明らかにあかんな、と思って、一般血液検査をしたところ。
白血球 8000→ Hb 9.1↓ 血小板65万↑
肝機能正常 腎機能正常
蛋白5.8↓ アルブミン2.1↓
CRP5.7↑
でした。
この検査からわかることは、貧血あり、慢性炎症による血小板増加、CRP上昇、病的な低栄養状態。
というわけで、この時点で消化器内科Drにお願いして、消化管内視鏡をお願いすることになります。
ちょっと長くなっているので、次につなげます。
理科に興味が出ている小5のために、この本買ってみました。
まだまだ全部の理解は難しいけど、難しいことを学んでみたい!という欲求は満たされているよう。
ちょびちょびわかるところからつまみ読みしています。
社会も!