小児科診療は9割が親への対応なんじゃないかと思っていますが、外来をしているときに特に親への対応には気を使います。

小児科ではほとんどが軽症な中、保護者のスキルや経験によって、どこまでの病態が家庭で見れるのか、どこまでなら保護者もまだ大丈夫と思っているのか、というのは本当に人を見て、話しをして、その反応で探っていくしかありません。

 

そんな中、あ、この人、これ言ってほしかったんだよな、っていうのがめっちゃわかるときがあって、そのどんぴしゃな言葉をかけてあげると、とっても喜ばれるし、満足度がすごく上がったのが雰囲気でめっちゃわかるので、私もうれしくなります。

 

例えば、鼻水で受診した赤ちゃん。

赤ちゃん自身はニコニコしていて、ミルクもよく飲んで全身状態良好。

よく聞いてみると、ママは1人目のママさんで、風邪の対応に慣れておられない、ということもあったのですが、今の状態なら大丈夫ですよ、このままあと数日様子みましょう、といってもなんとなくさえない。おかしいな、と思ってもう少ししゃべると、「こんなことで受診していいのか、どうなのかって思って、次はどうしたらいいのか・・・」とのこと。あ、なるほどね。「お母さんがご心配なら、一般外来はいつでも受診していいんですよ」って言ってあげると、明らかにホッとされたご様子でかえっていかれました。

 

また、発熱で受診されたお子さん。

きょうだいが数日前にインフルエンザになっていて、おそらくうつったのでしょうねーって言いまして、検査しときましょうか、といってもなんだかさえない。「あのー、検査ってしなければいけないんでしょうか」と。「あ、いやいや、検査は必須ではないし、今の状況だったらほぼインフルで確定的です。ただし軽症なので特別なお薬は要らないし、それだったらインフルの臨床診断にして学校は5日間休みましょう」と言ってあげたら、「あーよかった、検査をめちゃくちゃ嫌がっているのでかわいそうで。。。薬も要らないのでそういってほしかったんです」と安心して帰られました。

 

食物アレルギーで受診されたお子さん。

病歴で明らかにアレルギーの食材がはっきりしていて、他院(しかも近隣ではアレルギーでは有名な病院!)を受診後に、わざわざこちらにやってこられたとのこと。他院ではまだ検査もなにもされていなくて、セカンドオピニオン的に来られたのかなー。検査してほしいんかなー。でも要らないよなー。どうしてこっちに来た??と疑問に思いながら話してみると「あのー、こちらの病院では、診断で血液検査は必須ですか?」と。「いえいえ、病歴からもアレルゲンは特定できるので、検査は全然必要ないですよ」と言った瞬間、「よかったー!前の病院では血液検査しましょうと言われて。でも、検査しないで診断してくれるところを探してたんです」。なるほどね!

 

その他にも挙げるときりがないのですが、医療機関を受診する動機はひとによって本当に様々で、希望も思惑も大人と子供でもそれぞれ違う中、ニーズを拾い上げて、子供も大人もハッピーになる道を模索する、これが小児科医のアドヴォカシ―ってやつかな!なんて自画自賛してみたりして。

 

 

そろそろ暖かくなってきたので、布団のクリーニングを考えるとき。

毎年丸洗いして防ダニ加工して、さらに10か月間お預かりサービスのあるところに出しちゃっています。

ワンシーズンの汚れが全部とれていると思うと嬉しいですよね♪