2歳児、急に思いもかけない方向に行こうとした際に、親に腕を引っ張られる形になり、以降上肢を動かさないという主訴。

診断はだいたいわかるかと思うのですが、そう、いわゆる「肘が外れた」という状態の「肘内障」ですね。みなさんここはご名答です!!!


で、今回は子供が出先で肘内障になったら、という話になります。

 

肘内障は実は以前にもドクターNで出したことがあるので、古参の方は「前もあったやん!!」ってなったかもしれませんが、もう5年も経ってるので読者も更新されているだろうと思って題材にしました。

当時の記事はこちら。

 

 

ああ、なんてつたない絵なんでしょう(笑)

 

肘内障については、日本臨床小児学会のリンク貼りますので、発症機序などはそちらで。簡単に言えば、肘を固定している靭帯がずれてしまった状態で、じっとしていると痛みはありませんが、曲げようとしたり、腕をあげようとすると痛みがある状態になります。腕を引っ張ってしまったなど、明らかに外れたなーっていうとき(腕の明らかな腫脹や変形もなく、骨折が完全に否定できるとき)には、もしかしたら自己整復チャレンジもできるかもしれません。(自己整復についてはyoutubeなどもたくさん出ているのでそちらのほうが分かりやすいと思います)ただ、やはりきちんと診断できているわけではないので、おすすめはしません。

 

単純な肘内障であっても、受傷から時間をおいてしまうと靭帯が伸びてしまったり腫れてしまったりして治りが悪くなると言われます。そのため、なるべく早くに小児科もしくは整形外科の救急を受診されることをおすすめいたします。よって、動かさなければ痛くないという状態であっても翌朝まで待つのは必ずしも得策ではありません。かといって、救急車で行くほどでもありません。

今回の選択肢、微妙でしたが、④の翌朝も、不正解ではないものの、③が可能であれば、③が正解。

というわけで、④整形外科救急受診、が正解でした。あ、もしかして、ですが、小児科医でも肘内障の整復はちょっと、、という場合もあるので、近くに小児を診てくれる整形外科があればベスト、そうでなければ、小児科医もたいていは対応できるはず。

ただし、こけて手を強くついてしまったなど、骨折の鑑別が必要な場合には、骨折を否定してくれる整形外科医がいることが必須なので、整形外科が間違いないです。

 

何かの際にお役に立てば、という豆知識でした。