もう冬休みだというのに、小児科外来は荒れたまんまです。

 

なんせ、インフルの波がいつまでも続いてる。どうやら、当地では2種類のインフルAとインフルBが混在しているので、1回罹ってもそれで終わりではなく、同じ子が再度別のインフルAにかかるとか、今度はインフルBになるとか、もうしっちゃかめっちゃかな様相です。

それに加えて、ぽつぽつ入ってくる新型コロナ、アデノ、溶連菌、さらには手足口病やヘルパンギーナなど、なんでもござれの状態で、小児科医の臨床能力が試されるときだと感じています。

先日なんて、2か月の間にコロナにはじまり、インフルA2回、そして最後にインフルBにかかってしまった子を診ました。もうお気の毒としがいいようがないのですが、やはり3年間におよぶソーシャルディスタンスが破綻して、すっかり弱くなった子供たちの免疫が、次々にいろいろな感染症の侵入を許してしまっているようです。

 

結構外来でも聞かれるんですが、9月10月くらいから、もうずっと風邪をひいているのですが、何か病気でしょうか?という心配をされている親御さん、けっこうおられます。そうですよね、この3年、全然病気してこなかった子が、いきなりなんでこんなに風邪ひく!?ってなると思うのですが、大丈夫、コロナ明けの最初の冬なので、だいだいみんなそんなもんです、とお答えしています。

ウイルス感染に弱くなる免疫疾患もありますが、だいたいは先天性だったりするので、ある程度大きくなって3、4歳を超えて診断されるものって実はほとんどありません。ただ単に、感染の機会が「不自然に」なくなっていただけなので、ある程度風邪をひきまくって免疫状態がもとに戻れば、自然と風邪ひく頻度も気にならなくなるでしょう。

この状況を見ると、やっぱり人間はあまり清潔すぎる環境に置かれるよりも、少しウイルスたちと切磋琢磨できる環境にいる方が自然なことなのだなーと改めて感じたりしているのですが、医学がもっともっと進めば、もしかしてそんなこともなくなるのか。それとも、このままイタチごっこを続けながら、いつか感染力抜群で致死的なウイルスが生まれて人間のほうが根こそぎ駆逐されたりすることもあり得るのか、とか、いろいろ考えてしまいます。

 

兎にも角にも、この冬は例年よりずっと感染症が多い状態がずっと続いています。

年末年始の人流の動きでさらに撹拌されて広がる可能性も高いですので、引き続きの最低限以上の感染対策と、調子悪いときには人に出会わないようにするなどの最低限の節度を持って過ごしましょう。

 

 

スコッチブライトのお風呂用スポンジ、愛用しています。