もうずっと前から何度も書いてる内容なのですが、何度でも書きます。

 

小児科を受診して、もっとも多い主訴のひとつが鼻水。

この鼻水、大人でも嫌ですが、子供にとってかなりのストレスになります。乳児であれば、鼻水で鼻が詰まってしまったら哺乳ができなくなってしまいます。で、鼻水が喉の奥に落ちると、後鼻漏という状態になり、めっちゃしつこい咳になります。また鼻づまりになってくると食欲もなくなるし、夜寝づらくなったり、口呼吸になって喉が痛くなったりします。鼻周りがガビガビになって荒れたり、荒れたところから細菌が入ってとびひみたいになることもあります。さらに、鼻涙管の流れが悪くなり目やにが出て結膜炎などの二次感染症を起こしやすくなったり、鼓膜周囲にも二次感染を起こしやすくなり中耳炎を併発しやすくなったりします。副鼻腔に膿汁が溜まることもあります。

 

こんな厄介な鼻水ですが、これでも体の防御反応です。そもそも鼻は生体の加湿および空気清浄装置で、鼻から吸った空気に適度に湿度を与え、粘膜が乾燥しないようにしたり、空気中に含まれる微粒子や細菌、ウイルスなどの異物を粘液でからめとる役割をしているのが鼻水です。なので、感染状態になれば当然、たくさん分泌されてたくさん排出して洗い流そうときているわけです。

 

であれば、厄介な鼻水の処理方法はただ1つ。

 

外に出すこと

 

です。

仮に鼻水止めで止めてしまった場合、せっかく鼻水という粘液でからめとった異物が、鼻の中に留まってしまうことになってしまいます。留まってしまうと、鼻づまりが酷くなり、温かく湿潤した最適環境でウイルスや細菌が増え、上に書いた症状がより悪くなるのは明らかです。

 

なので、ひたすら出す!出すために、医療として出来ることは、鼻水をできるだけ出しやすいものに変えてあげることです。それが、ムコダインだったりムコサール(ムコソルバン)などの去痰薬です。でも、これらのお薬もかなーり効果はマイルドで、思ったより効果が見られない、と感じる方がほとんどだと思いますが、それでいいです。

そんなことよりも、鼻水をどんどん除去して、体のウイルス量を少しでも減らしてあげた方が、前述の様々な合併症が予防され、薬よりもなによりも風邪が早くよくなります。鼻水吸引器と去痰薬は併用することによって相乗効果がもたらされます。

 

 

 

あ、アレルギーの鼻水の場合は別。アレルギーはもともとは寄生虫に対する防御反応の一種でもありますが、今の人間にとっては害のほうが大きいので止めてあげると楽になります。

 

大人の場合は、ちょっと鼻水がねばっこくなっていても、鼻をかんだりできるので、鼻水止めが出ていてもそんなに悪い影響はないかもしれません。ただ、子供は違います。それでも抗アレルギー薬を使うのは子供同様抵抗があるので、自分自身が鼻水で困ったときは、小青竜湯を飲むようにしています。鼻粘膜の炎症が取れ、分泌物も減って楽になります。