昨日は母の日でしたが、子供たちから何の一言もなく猛アピールしてお手紙ゲットしました✌️あれ、母の日でこんなんやっけ?
ところで、小児科で「クループです」と言われたことはありますか?
通常診療で診るクループとは、いわゆる「仮性クループ」といって、喉の奥、声帯付近が腫れて、ケンケンと表現されるような、犬が鳴くような、オットセイがなくような、特徴的な咳がでます。ところでオットセイの鳴き声と言われてすぐに正確に思いだせる人がいかほどいるのか?と思うので、便利な世の中になった今は「クループ症候群」とyoutubeに入れると、標準的なクループ咳嗽の画像なり音声なりが出てきます。
なぜ「仮性」というのかというと、実は「真性クループ」という病気が別あって、こちらは「ジフテリア」という細菌が起こす感染症があり、致死率も10%と非常に高いものでしたが、初期症状がよく似ていたので区別する必要があったのですが、今は四種混合ワクチンの普及により日本ではほとんと見られなくなりました。なので、現在使われるクループという言葉は、ほぼイコールでウイルス性の急性喉頭炎ということになります。
クループは突然の咳で始まることが多く、厄介なことに夜間にひどくなります。
ひどいときには犬吠様咳嗽がひっきりなしに出て、このまま息ができなくなるのでは、と心配になった親御さんが、夜中の救急外来に駆け込んでくる率が高い病気でもあります。
そして私たち小児科医も、当直をしていて、「クループです」と言われたら、「あぁ、かわいそうに、心配だよね」って思ってしまう病気です。病院に来られたら、喉の腫れを引かせるような吸入をしてもらったり、ステロイドの全身投与を行ったりすることで、症状はある程度改善します。
ただ、恐らく病院に行くまでに、どこまでの症状だったら家で我慢するべきか、親御さんも悩まれていると思います。自宅でできることは3つ。
①縦抱きをしてみる
寝ている状態だと、声帯付近の腫れている場所が余計に細くなり、咳が出やすいので、起き上がった状態の方が呼吸が楽です。
②加湿する
咽頭喉頭が乾燥すると咳が出やすくなります。
③少し夜風に当たってみる
これよくあるのですが、受診するために外に出たら咳がよくなるという事象。寒すぎる空気は禁物ですが、少し涼しい空気を吸うと腫れがましになることがあります。
ともあれ、心配な中、ギリギリまで粘るのは厳禁です。特にお子さんが小さい場合には、不安も大きいと思いますので、特に寝られない、何度も起きてしまうようなクループ咳嗽の場合は受診を迷わないでくださいね。
月曜日は寝不足です…