思春期早発という病態があります。

これは、なんらかの原因で性ホルモンの分泌が亢進して、二次性徴が早く出現した状態を指します。(詳しくは昨日の記事参照してください)

 

身体所見では、Tanner分類というものがあって、その基準に沿って進めていきます。

前思春期では第1期のはずなので、思春期発来するはずのない年齢で、第2期以上と判断されれば、思春期早発の兆候があると判断されます。

 (メディカルノートより拝借しました)

 

ただし、これらの変化が一時的なホルモン変化によって起こることもあり、実はこれだけでは思春期早発症とは判断できません。

思春期早発が疑われたら、詳細な身体所見に加え、血液検査で各種ホルモン値を測ったり、レントゲンで骨年齢を見たりします。特に骨年齢は中長期的なホルモンレベルを反映するので、骨年齢が著しく亢進していたら、比較的診断は容易になるはずです。

難しいの精巣でも乳房でも、発育に多少個人差もあり、基準は一応あるのですが、診る医師によってもどこからが異常ととるかは多少ブレがあります。また、ホルモンの値も変動するので、ホルモンレベルが明らかに高いとか、骨年齢も異常に亢進しているとか、明らかにボインになっているとかでなければ、すぐに診断にたどり着かない場合が多いです。診断のボーダーライン上にいる人もたくさん居て、そうした人は苦労して治療を行っても成人身長にあまり変化がない可能性もあり、とりあえず正常から大きく外れてこないかどうか、様子見を続ける判断をされている人も多いはずです。

 

ただし重要なのは、特発性(原因が特に見当たらない)の思春期早発であれば、それに応じた対応をすればいいだけですが、脳腫瘍などホルモン産生腫瘍が隠れていたり、稀ではありますがターナー症候群など染色体異常に遭遇することがあるので、まずはそういう二次性の思春期早発症を否定するのが一番重要でもあります。

それを否定した上で、経過によって、身長スパートが早く来てそうなら、あるいは月経が始まったりしそうだったら、本人や親が早すぎる二次性徴に動揺するのを避けるため、あるいは将来の予定身長をなるべく伸ばすために、月に1回注射でホルモンの分泌を抑制するホルモン製剤を注射していくことになります。

実際に、絶対治療しなければ命に関わる、というものではないし、治療には本人も家族も多少の負担を伴うものなので、治療方針の決定はより難しくなります。

 

こうした思春期早発の治療はめちゃくちゃ珍しいわけではありませんが、小児科の中でも内分泌を専攻して専門的な知識が必要となるので、様々な可能性を考慮して大きめの病院で経過観察を含めて診ることがほとんどです。多くの小児科医が苦手とする分野でもあり、何を隠そう私も苦手です(笑)

 

未就学女児の思春期早発症については過去にこんな記事も書いていたので、興味のある方はどうぞ。

今みたらブログ内容しょっぼいなぁ、書き直さな。(外部ブログです)

 

お母さんに「ブラ買って」と言えない子どもが増えているようです。

何でも言える関係になりたいと思っていますが、そういえば私も言いづらかったかなぁ。。

 

 

 

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