ミュンヒハウゼン症候群という病気があります。

病気を装うことで、周りの反応を期待し、精神的な安息を得るという、いわゆるほら吹き症候群と言われるやつです。
 
子供に関しては、自分ではなく子供を代理にして病気を装うので、
代理ミュンヒハウゼン症候群と呼ばれる事象があります。
 
これは、子供に関して、実際にはない症状を医療機関や周りの人に訴えたり、隠れて実際に子供に危害を加え、子供に注目が集まることで、自己の存在意義を確認する、という症状で、虐待の特殊型と言われています。
 
子供に自ら危害を加えておきながら、それをかいがいしくお世話することで精神の安定を得ているため、一見、「あんなにやさしい人が、そんなことするはずがない」と周りも思ってしまうことも少なくありません。
具体的には、子供が熱があるように体温計を細工したり、咳などの症状があると訴えたり。
それくらいならまだいいのですが、ときには入院中に点滴に異物を混ぜ込んだり、インスリンなど重要なお薬をこっそり使ったり、ときには窒息させたり。
こうした症状は、もともと医療的介入がなされている場合に重度になりやすく、また、事態も深刻です。
 
子供の命にかかわることももちろんあり、その場合は深刻な虐待として早急な対応が必要になりますが、そこまでではなくても、”魔がさした”ようなケースは稀ではないと思うことがあります。
また、詳しくは書けませんが、私も大学病院勤務時代に、代理ミュンヒハウゼンの母親の症例に遭遇したことがあります。
そこに至る保護者の心の闇は深く、また、子育てや子供の持病の看病などで疲れ切っている、という現実も少なからず関与しています。
子供たちを守るのが小児科医の役割ではありますが、そのためには苦しんでいるお父さん・お母さんたちの心を救ってあげなければいけません。
虐待症例全般に言えることですが、広い視野を持ち、多角的なアプローチができるように、子供を取り囲む不適切な養育環境を周りのみんなで改善していければなぁと思います。
 
 
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