突然子供の手足や体に赤いぶつぶつが。

子供がかゆがって寝れない、不快で泣く。。

ところが、翌朝にはもうすっかりきれいになっている。

 

これはじんましん(膨疹)です。

 

じんましんとは、表皮の下にある真皮という層に炎症が起こって、皮膚がむくむことが原因です。

もう少し詳しくいうと、真皮にいるマスト細胞が、何かに対して刺激を受けると、ヒスタミンという物質を放出します。これが、知覚神経に感知されかゆみを起こしますし、血管が反応して血液成分が漏れ出して、表皮下にむくみができてしまいます。

 

(画像は塩野義製薬のHPから拝借いたしました。)

 

じんましんには塗り薬、と思っている方も多いのですが、こうした機序ですので、表皮にしか届かない塗り薬は一般的には無効です。

なので、抗ヒスタミン剤の内服をするか、局所を冷やして腫れを抑えることが治療になります。

よく救急外来などで、「塗り薬ないんですか?」と聞かれますが、おおかた処方されないのはこのためです。

また、逆に、お風呂に入ったり、運動をしたりして体があったまると、マスト細胞が活性化されるので、再度出てきやすいです。

 

出てきた発疹がじんましんかどうかの見分け方ですが、少しだけ浮き出るような淡い紅色の膨隆疹で、大きさは様々(癒合して大きくなることもありますよね)、ほとんどの場合強いかゆみを伴います。

そして何よりも特徴が出ても数十分から数時間で跡形なく消える場合がじんましんです。

逆に、24時間経っても同じ場所が同様に腫れている場合は、じんましんではないです。

 

じんましんの原因は7-8割が不明で、食物アレルギーなどではっきり原因が分かるもののほうが少ないです。

風邪を引いていたり、ストレスを感じていると反応しやすいことも経験しますので、いろいろな要因が重なって起こっている可能性が高いと思われます。続かない限りは特に心配いりませんが、食物以外に何か心当たりになるものがないかどうか、思いを巡らせてみるといいかもしれません。

 

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(今回はじんましんについてです)