生まれてすぐの赤ちゃんは多くの場合多血の状態で、血液が非常に濃いです。
そして多血は、赤ちゃんがミルクやおっぱいを飲んで、通常状態に戻っていくにつれて自然に治ってきます。(あまりに見過ごせないほどの高値である場合は、血液を薄める目的で血を少し抜いて他で補う、部分交換輸血を行うこともあります。)
多血の原因は様々ですが、臍帯をしばるのが遅れたりしても起こりますし、胎盤の機能不全でも起こることがあります。
 
多血が強い赤ちゃんは、その血球が壊されていく過程で、必ず黄疸を起こします。
通常赤ちゃんのビリルビン値はは生後4日目くらいにピークを迎えますが、黄疸の値が基準値を超えると紫外線を浴びる「光線療法」が必要になります。ビリルビンの値は、前述した多血以外に、出生体重や出生時のストレス、そして哺乳量にも大きく影響します。
母乳育児を推進する病院では、生後直後からなるべくミルクの投与を行いません。そうすると、かなりの確率で黄疸になります。
 
しかも、黄疸の基準値は、いくつかの流派で違いがあって、12時間ごとに比較的厳重に管理する流派もあれば、24時間でいい流派もあります。私が所属するのは24時間でいい派なのですが、黄疸で怖い症状がでたことはありません。なので、新生児期に黄疸で治療した、といっても、特別な病名を告げられたのでなければその後に影響することはほぼないと思って大丈夫です。
黄疸でひっかかると、保育器に入り、紫外線を出す青い光を浴びることになります。通称「日サロ」です。ビリブランケットというタイプの治療を導入している病院もあり、そこでは赤ちゃんがかなり近未来的な光を放ちます。
 
 
私が第一子を生んだ病院は、母乳育児を超推奨する方針の病院でした(総合病院です)。そして、黄疸は厳重管理の流派でした。
赤ちゃん産んだからといって、初産で母乳が軌道に乗るまでには最低3日はかかります。壮絶なお産であればあるほど、母乳の分泌は遅れます。出る人や余裕がある人はいいですが、しんどい人はその間くらいはミルク足してくれてもいいのにな、と思ったのが正直なところです。
 
出血大量で初めてのお産後、当然、赤ちゃんはおっぱい欲しがって泣きますが、初めてのことだらけで、一体母乳は出てるのか、吸えてるのかもサッパリ分かりません。助産師さんは「お母さん小児科だしなんでも知ってるよね」といってはじめ何も教えてくれませんでしたが、「なんにもしらないのよ~~」と声を大にして言いたかった。いや、正確には言ったけど、取りあってもらえませんでした。
きっと忙しかったのね、だってその日に9人分娩があったらしいので。
赤ちゃんはもちろん厳重管理され、退院までに何度も光線療法され、退院するころには真っ黒でした。

 

あのときのスパルタがあったからこそ、その後は母乳育児も軌道に乗りはしましたが、そのとき「次からはもう少し緩やかな産院にしよう」と誓ったのでした。何事も臨機応変がいいですよね。