優しいサリーへ②の続きです。
救急車が開いて、後ろから降りる。
気をつけて、と救急隊員の方が気遣ってくださる。
エマージェンシーの入り口から中に入り、
保険証等の提示、
そして私とキックはすぐに診察室に通された。
『お姉ちゃんは…外で待っててもらおうか!まっててね!』
先生が来て、看護師さん2人、
キックはすぐにベッドに横にさせられ、
タオルを『危ないからいいですか?』と聞かれ『お願いします。』
体に巻かれ、キックは拘束された。
『お母さん、こういうの(傷を見るの)大丈夫ですか??』
『はい、大丈夫です。』
でもさ、
自分の子どもだと、
本当に辛いよ。
傷をみて気分が悪くなる、という人も多いそうだけど、
そんなことじゃなくて、
子どもがこれだけの怪我で
泣き叫んでいる。
本当に辛いよ。
苦しい。
でも、
キックが一番辛いのに、
近くにいなきゃ、
苦しいのはキックだ。
私はキックの足を押さえる。
『キックー!
ママここにいるからねー!!
痛いねー!!
がんばりやさんだねー!!』
先生が
キックの鼻を
中を割るように観察している。
おそらく、しっかり調べないと
縫合する場所など
しっかりした方針が決まらないのだろうと思った。
こんなに中がズタズタだったのか。
鼻の穴はやはり片方避けていて
そのまま3センチは
上に深くズタズタに断裂していた。
『軟骨もさけているね…』
『これは深いね!痛かったねー!』
看護師さんは少しでも空気を和ませようと、
深刻に考えないようにしてくれたんだと思う。
『軟骨まで深く断裂しています。
鼻の骨はここなので(上の方を指差す)骨折はしていません。
すぐに泣いたんですよね?
おそらく脳にも今のところ異常はないようです。
まず、軟骨を寄せて縫合して、外も縫いますね。
麻酔するよー!
少し痛いよー!
ごめんねー!!』
たくさんたくさん、
目の下あたりも、
鼻の中にも、
たくさんたくさん、
麻酔をする。
『今だけだよー!
痛くなくなるからねー!!』
私『あの…
鼻はもとに戻るのでしょうか…』
看護師さん『…(苦笑い)。跡は残るかなー??』
ああ、完璧には治らないのかも。
可愛いキックの鼻。
どうかどうか、
お願いします。
もとに戻してください。
なくなることがないように、
どうか、どうか、お願いします。
先生が縫おうかなぁというタイミングで、
看護師さんが、
『外にいるのはお姉ちゃん??』
私『はい。』
『うずくまって、大変そうだよ。
こっちはいいから、お姉ちゃんのところに行ってあげて
』
と言われ、わかりました、お願いします!
サリーのところに行くと…
五感のすべてを閉ざして、
蹲るようにサリーが座っていた。
私『サリー!今ね、キックの鼻をすぐに縫ってくれるから、大丈夫だよ!!』
サリー『ごめんなさい…サリーのせいなの…サリーがいけないの…』
ここで、私のどうにか張っていた線が、
プツリと切れた。
人前なのに、嗚咽と涙があふれる。
私『ママがいけないの!!
今日に限って、たくさん掃除機かけて、
いつもしっかり片付けなかったりするのに!
砂なんかどうでも良かったのに!
キックといつもはその時間は外にいるのに!!
サリーじゃないよぉー!!
サリーは悪くないよー!!!
サリーは優しいよ!
全部ママがいけないの!!
サリーには悲しい思いをさせてごめんねぇ!!』
サリー『ママじゃないよー!!泣』
私『キックすごく頑張っている!
わかるでしょ?
これからみんなでキックを守ろう!!
大丈夫だよ!!
大丈夫!!
ただ、家は片付けよう!!』
躓いた理由は、後からワイドパンツに足を取られたことが判明。
ただこの時は床の何かに躓いたんだと思い、
片付けを徹底しようと話す。
すぐにワイドパンツだと話していてわかったが、
散らかった部屋をしっかり片付けていこう!!と
そこも決めた。
キックはずっと泣いているようだ。
麻酔もきいているのか…
いたいー!!いたいー!!!
二歳前の子にしてはハッキリと痛いと伝えていて、
そしてなんて壮絶な体験をさせてしまっているのか。
サリーに飲み物を買ってきて飲むようにいうが、
いい、と一緒にキックが泣き叫んでいるのを聞いている。
がんばってるね、こんなに強い子いないよ!
キックはすごいね!
何十分かたったのかな。
数分ではなかったと思う。
でも、十数分だったのかな。
『どうぞ。』
とよばれ、中にはいる。
起こされたキックをみると、
『こんな感じ。』
心の底から安堵した。
治った、、、と。
裂けていたところはきれいに縫われて、
もう元に戻らないんじゃないかと思った形は、
可愛いキックの前の姿そのものだった。
少し腫れていたけど。
『ありがとうございます!!』
キック!!
頑張ったねー!!
抱っこする。
キックが無事戻ってきた!!!
先生の詳しい話を、キックを抱きながら聞く。
中の軟骨も寄せて縫って、外は…
ふと、先生の顔に赤い点々がたくさんあることに気づく。服にも。
看護師さんたちの服もだ。
壮絶だったんだな、と思った。
申し訳ない気持ちと、
それよりも何倍も何十倍も大きな感謝の気持ちで
心が
ようやく落ち着きを見せ始めた。
私『サリー!!キック、もう大丈夫!!』
サリー『キック。痛かったね。ごめんね。
大好きだよ。』
キックも落ち着いている。
ありがたいことに
入院しなくていいようだ。
こんだけひどいからと思ったが、
かなりの深い裂傷でも入院はいらないらしい。
必要ならするのだろうけど、今回は
しなくてよかったようだ。
後日談として、
確かに家で遊び始めたり、
走ったり、
すぐにもとの日常の様にキックは過ごしたしね!
薬をもらって、
じいじに迎えに来てもらい、
じいじ『おう!キック!大丈夫かぁ!!
あはは!大丈夫そうだなぁ!
よかったなぁ!!』
もともと明るいじぃじは、
さらに明るく話しかけてくる。
帰りにコンビニよろーね!
何ほしい?
キック『ジュース。あいしーくーむ。』
オッケー!!
え?ママ服血だらけだけど行くの?
いいよ別に。
いこー!いこー!!
帰りにコンビニで
かなりの大人買い!!
すごい量の食べ物たち!!
ジュース、アイス、ゼリー、
お弁当、
桃、お菓子
千円のフレッシュジュースなんか、
・・・・・
買ってもらっちゃったもんね!!
サリー、
いつも優しいサリーへ。
あなたにあなたの意志でない
何かの力が加わって
こういうことになってしまったけれど、
あなたがその繊細な心を痛め
深く傷ついてしまったこと、
親である私のせいだと思っているよ。
あなたがすべてを閉ざしてうずくまる姿をみて、
この子はとてもきれいな心の持ち主なんだと、
私は心がいっぱいになったんだよ。
だから、
どうか、どうか、
いつまでも自分を責めないでほしい。。
あなたの思うままに、
これからも、
その清い心のままに、
一緒に、
生きていこう。
今回、
鼻軟骨までの断裂という重症をおったキックだけれど、
少しずれれば・・・
そこは目だったかもしれない。
掃除機がなければ、
サリーの体重をもろに受け、
床に挟まれたら…
それは頭蓋骨骨折かもしれない。
何らかの、
目には見えない助けてくれる力が働いてくれたんだと、
感謝。。。
あれから、今日で一週間。
キックの鼻は驚異のスピードに乗って
治ってくれていて、
土曜には、
抜糸です!!
本当にありがたい。。
傷も絆創膏を貼っていて…
嫌がるので、絵を書いてごまかしています
アンパンマン、
メンダコ(深海魚)
ジバニャン
スプラトゥーン
ペネロペ
なぜか、パディがスプラトゥーンを羨ましがって、
大した傷でもないところ、
スプラトゥーンを描いた絆創膏、
貼って学校にいきました。
それって、自慢になるかなぁ???
どうにか、
早い段階で、
この気持ちを消化したくて書きました。
内容に、配慮の必要な箇所があったとは思います。
ゴメンナサイ。
みなさんも、どうか毎日を楽しく元気にお過ごしください!!
