漫画家・芦原妃名子さんの急死。

 

これが自殺である事は

報道でも明確に示されています。

 

 

悔やんでも悔やみきれないのが

御家族。

 

色んな報道が出ていますが

どんどん問題が

迷走し始めていている事に

どれだけの人が

気付いているのでしょうか。

 

もう一度、原点に戻る必要が有ります。

 

今回の一件の発端は

個人的には

伝言ゲームによって

言葉が省かれ

自己保身が付け加えられ

原作者と脚本家が

そのとばっちりを受け

原作者が追い詰められた。

 

自分はそう捉えています。

 

脚本家の方と

原作者である芦原妃名子さんの

残した言葉で

それが垣間見えて来ますし

御本人のコメントでも

そう記されていました。

 

作者⇔編集部⇔テレビ局(プロデューサー)⇔脚本家

 

こういう図式です。

 

これはもう

伝言ゲームをしてしまったが故の

出版社とテレビ局の失態と見て

大過無いと思います。

 

 

脚本家の方は当初

 

「最後は脚本も書きたいという

原作者たっての要望があり、

過去に経験したことのない事態で

困惑しましたが、

残念ながら急きょ協力という形で

携わることとなりました」

 

と言う言葉を発信されていました。

 

これを解釈すると

テレビ局の人から

「作者がごねちゃってさぁ、

最後の二話を自分で書きたいって

言ってるんだよっ」

そう言われた事が見えて来ます。

 

テレビ局のプロデューサーは

当時きっと思っていた事でしょう。

細かく口を出して来る

もの凄くウルサい漫画家さんだって。

 

でも真実は・・・

 

何も聞かされていなかった。

これが経緯です。

 

 

出版社側の意図は明確です。

 

作者からの要望は

原作のイメージを守って欲しい。

特に大事なシーンでは

言葉も変えて欲しくない。

 

これは守らなきゃいけない。

でもその一方で

でもドラマ化は嬉しい。

新たな購読者が生まれるから。

 

作家の皆様 読者の皆様 関係者の皆様へ 

 

そう題された文面は

編集者の今回の一件に対する

率直な表明文、とも言えますが

自分としては

納得していない部分が有るのは

何らかの作為を一部に感じてしまうから。

 

この一点です。

 

どこが気になったのか

先ず先に全文を読んで見て下さい。

 

 

自分が気になったのは


 また、著者である芦原先生のご意向を、ドラマ制作サイドに対し小学館がきちんと伝えられていたのかという疑念が一部上がっておりますことも承知しております。
 その件について簡潔にご説明申し上げるならば、先の2023年8月31日付の芦原先生のコメントが、ドラマ放送開始日2023年10月22日よりも2か月近く前に書かれ、そしてドラマ放送開始前に7巻が発売されているという時系列からも、ドラマ制作にあたってくださっていたスタッフの皆様にはご意向が伝わっていた状況は事実かと思います。
 そして勿論、先生のご意向をドラマ制作サイドに伝え、交渉の場に立っていたのは、弊社の担当編集者とメディア担当者です。
弊社からドラマ制作サイドに意向をお伝えし、原作者である先生にご納得いただけるまで脚本を修正していただき、ご意向が反映された内容で放送されたものがドラマ版『セクシー田中さん』です。

 そこには、ドラマのために先生が描き下ろしてくださった言葉が確かに存在しています。
 ドラマを面白いと思って観て下さった視聴者や読者の皆様には、ぜひ安心してドラマ版『セクシー田中さん』も愛し続けていただきたいです。

 

赤文字が気になった点です。
 

このコメント以前に

日テレが出したコメントが以下の文章です。

 

「原作代理人である小学館を通じて

原作者である芦原さんのご意見をいただきながら

脚本制作作業の話し合いを重ね、

最終的に許諾をいただけた脚本を

決定原稿とし、

放送しております」

日本テレビのコメントより

 

この二つを並べて見て

疑問を感じませんか?

 

芦原妃名子さんが納得していたのなら

何が彼女を追い詰めたのか、

と言う事を。

 

納得と言うと聞こえは良いのですが

苦渋の決断による妥協と言うのも

その中に入って来ます。

 

文章を読み解くとこうなります。

 

講談社(担当編集者・メディア担当者)⇔フジテレビ(プロデューサーの方々)

 

ここがどういう話し合いをしていたのかが

全てです。


 ドラマ制作側の窓口は

プロデューサーの方々のみで、

ドラマ化の条件がどのように

脚本家や監督、スタッフに伝わっていたかを

知るすべはなかったとも彼女は述解しています。

 

加筆と修正を繰り返した最後が

ラストの二話の脚本の執筆です。

 

   「当初お伝えした『ドラマ化の条件』は

どうなってしまったのだろう?という疑問を

常に抱えた状態での加筆修正の繰り返しとなって、

その頃には私も相当疲弊していました」といい、

 

「日本テレビさんから

8話までの脚本を執筆された方は9話、10話の脚本には

関わらないと伺ったうえで、

9話、10話の脚本は、

プロデューサーの方々のご要望を取り入れつつ、

私が書かせていただき、

脚本として成立するよう

日本テレビさんと専門家の方とで

内容を整えていただく、という

解決策となりました」としている。

 

  ただ

「素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので、

私の力不足が露呈する形となり反省しきりです」

「9話、10話の脚本にご不満をもたれた方も

いらっしゃるかと思います。

どのような判断がベストだったのか、

今も正直正解が分からずにいますが、

改めて、心よりお詫び申し上げます」と謝罪。

 

これを読んでいると

芦原妃名子さんは

 

本当は全く何も

納得出来ていなかったのではないか?

 

そう考えると

文末の以下の言葉は

整合性を失って来ます。

 

「素敵なドラマ作品にして頂いた、

素晴らしいキャストの皆さんや、

ドラマの制作スタッフの皆様と、

『セクシー田中さん』の漫画とドラマを

愛してくださった読者と視聴者の皆様に

深く感謝いたします」

 

そして二日後のラストメッセージが

 

「攻撃したかったわけじゃなくて。

 

ごめんなさい。」

 

有ってはならない結末でした。

 

彼女が経緯を説明した文章を

攻撃だって感じた人達がいて

それを彼女にぶつけた人達がいて

それが今回の一件の

最後の引き金になってしまった。

 

残念過ぎる結末です。

 

ドラマは

昨年の十二月で終わっているにもかかわらず

今回の出来事は

それから一月後の事です。

 

この間に一体何が有ったのか。

何が彼女をここまで追い詰めたのか。

 

彼女に対して

何が行なわれていたのでしょうか。

 

テレビ局にとっても

不思議で仕方が無いに違い有りません。

 

テレビって放映が終わってしまえば

もう過去の事。

 

でも芦原妃名子さんにとっては

何も終わってはいなかった。

 

彼女の本等の肉声と言うのは

実は

 

「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい。」

 

これだけなんです。

 

それまでの文章は

自分が見聞きした話では

彼女が編集部の確認を取ったうえで

それから公開されたモノ。

 

編集部のチェックを受けた文面。

 

X(ツイッター)の投稿全文は

そういう作業が一度

成されていたと言う事です。

 

編集部の手が

もし入っていたとするならば

彼女の公開した文章の

中間部分と文末の

整合性の取れない点も

何となく理解出来る。

 

編集部の何らかの意図が

この文面にも反映されている可能性が・・・

 

 

芦原妃名子さんの持つ

作品のイメージは

芦原妃名子さんだけのもので

それが絶対で全てでした。

 

作品の中に出て来る

セリフの一言一言も

本人が登場人物に言わせたい

一言一言を

代弁して吐露させたに違い有りません。

 

自分の根っこの部分を

なあなあで済ませられなかった思いが

今回のテレビドラマ化の

最初の約束の部分だったのでしょう。

 

絶対に守って欲しかった

約束でも有った筈です。

 

そんな作家さんの思いを

全う出来なかった出版社にも

当然落ち度は有りますし

許諾さえ取れてしまえば

あとは何とかなると

そう思ったであろうテレビ局には

最大の落ち度が有ると

自分は思っています。

 

作家さんとの当初の約束を

全く守れていなかったのですから。

 

テレビは約束を守らないし

守れないんです。

 

映画化やテレビドラマ化の

話しが来たら

作品は原作とは別物になる事を

覚悟しなければなりません。

 

解釈は人それぞれで

全く違うのですから。

 

今回の悲しい出来事で

学ぶべき事は多かった筈です。

 

安易な映像化の申し出は、編集部で止める。

編集部が、編集部の責任で全てを発信する。

作家さんを矢面に立たせない。

脚本家と原作者のホットラインを作る。

 

そして

 

脚本は全て完成させてから

撮影に入る。

 

でもそれでも多分

原作とは異なった作品に

きっとなってしまう事でしょう。

 

解釈が違いますし

作者とテレビ局では

持ってるイメージが異なりますから。

 

それでも最大限

作者に寄り添って物事を

進めて欲しい。

 

安易に原作を使って欲しく無い。

 

苦しむのは多くの場合

原作者なのですから。

 

彼女を追いつめたのは

結局何だったのでしょうか。

 

真相は多分

解明されないままで終わりそうな気がします。

 

問題の元凶は

小学館と日本テレビの体質なのですから。