『マクベス』

小田島雄志氏と松岡和子氏の翻訳を読み比べ。

 

 

 

 

今回、松岡訳→小田島訳の順に読んだときの印象は、

 

松岡和子訳の印象:

ドラマティックで、ハッと惹かれる台詞が多い。

 

小田島雄志訳の印象:

奇をてらわないシンプルな翻訳でスルスル読める。ストーリーを理解しやすい。

 

ただ、松岡訳では気に留めなかったが、小田島訳で「おっ」と引っ掛かった台詞もあり、それがこちら。

 

人生は歩きまわる影法師、あわれな役者だ、

舞台の上でおおげさにみえをきっても

出場が終われば消えてしまう。白痴のしゃべる物語だ、

わめきたてる響きと怒りはすさまじいが、

意味はなに一つありはしない。

 

(第五幕第五場)マクベス

(原文)

Life’s but a walking shadow, a poor player

That struts and frets his hour upon the stage

And then is heard no more:

It is a tale

Told by an idiot, full of sound and fury,

Signifying nothing.

 

 

なんとなく、『お気に召すまま』に出てくる有名な台詞、「この世は舞台、人はみな役者」と似ている。

※劇団四季『ゴースト&レディ』にも引用されているので、読んだことはないけど台詞は知っているパターン

 

『マクベス』に登場した上記台詞は、マクベスが妻の死を知ったあとに語る独白である。

人生は虚無的なものであるとし、役者の喩えも「哀れで無意味なもの」として使われている。

 

『お気に召すまま』では、舞台(人生)の比喩がどのように使われているのか、注目して読んでみたい。

 

松岡和子訳のちくま文庫は、註釈が同じページにあり、これがとても興味深くて面白い。ただし私の場合、註釈に意識が行ってしまい集中が途切れやすかったので、次は小田島訳→松岡訳の順で読んでみようと思う。

 

おわり。