こんな事がありました。
夫の大学のクラスにトランスジェンダーの学生Aがいます。
そのAが描いた絵について批評している時に、夫はAのことを「He (彼)」とうっかり呼びました。
すると授業後、Aと仲の良い女子学生がやって来て「He なんて呼んじゃダメよ!Aはすごく気にすると思う。」と夫に言ったそう。
Aの場合にはTheyと複数形で呼ばなくてはならないんです。
この場合のThey は彼らではなく、彼と彼女の意味。
身体はひとつでも内面は複数っていうことです。
そういう言葉の使い方まで決まりがあるほど受け入れられているのは、アメリカらしいところだと思います。
私も心して気を付けなくちゃと思った話でした。
ところが私が先日経験した事はこうでした。
あるアート展覧会のオープニングで、トランスジェンダーの人を交えて話す機会がありました。
夫の学生Aの話を聞いていたので、間違えないようにその人のことを「They」と言ったら、「She」と言い直されました。
ひとくくりに出来ない、とても繊細でデリケートな事なんだなと思いました。
もちろん、外からは見えないその人の内面が男性でありたいのか女性でありたいのか、それとも両性持ち合わせているのか、計り知れません。
ただ外見で性別を判断するのが当然に思っていたのが、心の内面を重視する必要を教えてもらった気がした経験でした。

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