日本にいた頃は、中華(中国)料理にそれほどなじみがありませんでした。
「ちょっと改まって食事に」というと、フレンチやエスニック(考えてみれば、チャイニーズもエスニックですが、ここではタイ料理とか)でした。
理由のひとつには、今思えば、日本の中華料理というと広東地方の穏やかな味つけの料理が多かったような気がします。
チキンとカシューナッツの炒め物とか、酢豚やかに玉など。
それも食べればおいしいんですが、なんとなく「特別な外食感」に欠けるように思ったようです。
しかしここアメリカで、中国人の友人に連れていってもらったレストランで、私は衝撃を受けました。
これほど美味しいものがあったとは!
その開眼以来気をつけて観察してみると、ここアメリカでは断然四川地方の料理を出す中国料理レストランが多い。
多分、あの濃い味付けと辛いのがアメリカ人にうけるんだと思います。
中国人や韓国人がオーナーであることが多いアメリカの”寿司屋”と違って、そういうレストランはオーナーから料理人からサーバーも、時には客も全部中国人。
英語も通じないこともしばしば。
それだけに、味には当たりはあってもはずれはそうありません。
唐辛子と山椒が大量に使われて、口内や舌が限界に近いところでびりびりするあの美味は癖になります。
特に私が必ずオーダーする料理が「水煮魚」というもの。
白身の魚を油で揚げて、白菜や青梗菜と一緒に山椒の効いたチリソースでさっと煮た料理で、上に大量の唐辛子がかかっています。
暴れたくなるくらい辛いのですが、揚げてある魚がふわっと溶けて、口内で山椒がぱーーーっと広がり、めちゃくちゃ美味しい!
色々なところで試したのですが、一番おいしかったレストラン(というか食堂と言う感じで、決してきれいではない)は、ちょっと遠い所に移ってしまったので、どうにかしてあれを家で再現できないかと、やってみました。
オーダーすると、今まで隣のテーブルで新聞読んでたおじさんが立ち上がってキッチンに入っていき、えらい速さで作ってくれたものでした。
自分で作っておいてなんですが、ものすごい赤さです。
あのレストランの味には遠く及びませんが、入り口付近には行ったかな。