前にもちょっと書いたような気がしますが、私の父はものすごく変わった人です。
なんというか、まず会話が成り立ちません。
こちらが何か言うと、「あれ?聞こえなかったかな?」と思うくらいの溜めの後、あさっての方向からのような返事が返ってきて、「あー、ねー」で終わるというのがいつものパターン。
うーん、説明が難しいのですが、例えばある時、ランチ時にどこかでさっと食べようということになった時、父がドライカレーを頼みました。
妹 「えっ、お父さん、ドライカレーが好きだったの?」
父 「・・・(溜め)・・・いや、辛いのは好きじゃないからねえ」
じゃ、なんで注文したん?
と全員が思いました。
中国なら、4次元と呼ばれていることでしょう。
同じ4次元でもBTSのテテのように”世界一美しい顔”の人なら、それもまた魅力なのでしょうが、普通の日本のオヤジが4次元であっても、ただ周囲は困惑するだけです。
そんな父が身体の不調を訴えて、ナンだかわからないまま1年間検査づくめの後、癌と結論つけられました。あのー、進行性のものならもう死んじゃってますけど
化学療法も効かなくて放射線治療に移り、この一番寒い中、往復4時間かけて20日間大学病院へ通う毎日。
どんなウィルスも命取りというのに、インフルエンザの蔓延で電車も地下鉄も危ない。
私はアメリカから毎日毎日、心配で心配で。
しかしそんな中、父は「この病気になってからお母さん(妻)がちょっとやさしくなった」とうれしそうに電話で言いました。
4次元の父でよかったです。