今日のモデルの仕事は、女性ばかり9人の、絵を描くプライベートなグループからの依頼でした。
場所はそのうちのひとりの家で、木々が生い茂った中にある門は、暗証番号を入力するかそこから電話につながっているインターフォンで名乗ってからしか開かないようになっていて、そういえばキースリチャーズの家もそういうシステムでした。
最高級のセキュリティのようです。
開いた門の中へ車を進めると、よく手入れされた森みたい。
遠くにプールも見えるし、東屋っていうんですか、庭を散歩中に疲れちゃったら腰掛けて休むものもあって、まるでバッキンガム宮殿のようです。行ったことないけど。
ついに家屋が見えてきました。もんのすごいお屋敷です。
その3階がアトリエになっていて、アトリエだというのにキッチンもシャワーもあるバスルームも完備しています。
その9人が絵を描きながら話す内容は、「あなたあのGala(華やかな催し)に行く?」だの「私あの画家の絵が好きだから、手に入るだけ買おうと思って、800,000ドル(9千万円くらい)用意して行ったんだけど、ほとんど売れてて小さいのを数枚しか買えなくて200.000ドルくらいだったわ」だの。
どんな世界だ!?と思いながら聞いていました。
何食わぬ顔をしてはいましたが、話のケタの違いにびっくりしすぎて、いつもは細い私の目が今日はちょっと大きかったと思います。
で、この家には、それぞれ種類は違いますが、みんな子牛ほどの大きさの犬がなんと6匹(いや、6頭)もいて、女性たちの声が大きかったりすると、いっせいに吠え出して、いやいやうるさいのなんの。
しかも彼らのおかげで、せっかくの豪邸なのに、ものすごく獣臭い。
それが私の超敏感な嗅覚にいつまででもつきまとって、慣れることがありません。
そのうちの2頭の写真。
どっちも大きいのでよく分からないと思いますが、彼らは私が四つんばいになったよりもずっと大きいです。
そのうちの1頭はとりわけ人懐こくて可愛いのですが、人がポーズ中動かないようにしてるのに、つま先をなめるの、やめてくれない?
家に帰ってきたら、うちの猫がちょっと距離を置いて、ヘンな顔でじーっと見てきました。
これが犬というものの匂いだよ、と教えてから、シャワーに飛び込みました。
色々と刺激的な4時間でした。