うちの猫は、犬のように口にくわえて何かを持ってきては、目で訴えます。
例えばニットの帽子ですが、ついうっかり置きっぱなしにしたところ、次に見た時には猫がくわえていました。
もうかれこれ6年くらいくわえて運んでいますから、かつては白かった帽子は、ぼろぼろで汚いのですが、なんだか悪い気がして捨てられません。
実はこの帽子、あるクリスマスに夫の母が編んでくれたものです。
彼女は、編み物やキルトなどの手芸にとても秀でていて、作ってくれたベッドカバーなどもとても美しくて、「売ればいいのに」といつも思いますが、彼女は趣味でやっているから楽しいのだと言います。
あるとき、夫の両親がアリゾナ州から訪ねてきました。
今やズタボロの、うちの猫のお気に入りのニット帽を見せるわけにはいかないので、クローゼットの中に入れてドアを閉めておきました。
お茶を飲みながら、「いやー遠いところからお疲れでしょう」みたいな会話をしていたら、なんと、猫が例のニット帽をくわえて、涼しい顔で私たちの目の前を横切っていきます。
うそーーーー!!!
漫画のように、目が飛び出るかと思いました。
もうごまかしようがなく、「み、見ましたね?」と思いながら義理母の顔をうかがうと、あまりのぼろさに自分が編んだ、かつては白かった帽子だとは気がつかず、「あら、あれは何を運んでいるの?」と聞いてきたので、「なんでしょうねえ、誰かの靴下かなにかかな?」とごまかして、事なきを得ました。
特にこの帽子を運ぶ頻度は高く、今でも1日おきくらいにくわえてきます。
私に持ってきてくれたのかな(いらないけど)と思って受け取ろうとすると、怒ります。
何をしてもらいたいのか、未だに分からなくて困惑します。