アメリカに来てから初めて知った自分のことって、いくつかありますが、そのひとつに「私の指紋は薄い!」ということがあります。

 

事の始めはグリーンカードの更新でした。

州都にあるイミグレーションのオフィスで、指紋を読み取る機械で指紋を採ったのですが、しばらくして新しいカードが送られて来る代わりに、「指紋が採れなかったので、もう一度来るように」との手紙が来ました。

それでまた、仕事の都合をつけて行き、同じ機械で指紋を採りました。すると、また同じ文面の手紙が来るではありませんか!

自分の手をじっと見てしまいました。

 

仕方ありません、もう一度行き、同じことを繰り返しました。

「あのー、3回目なんでよろしくお願いします。」と念を押すと、「まかせとけ、今回はバッチリだ!」と軽く受け流されたので、いやな予感はしたのですが、案の定また手紙が来て、今回は「当所使用の機械ではあなたの指紋を採取できないので、もっと精密な機械がある連邦政府庁舎に行くように」とあります。

今度は、夫の手と自分の手をじっと見比べてしまいました。

 

場所の物々しさにびびりながら指示通り建物の中を進んで、たかが指紋を採るのに、私よりも背の高い冷蔵庫のような大きさの機械がある部屋へ。

検査技師は、場違いなほどきさくなおじさんで、色々世間話をしながら試し採りをすると、「おお、こりゃ指紋が薄いっていうより無いな!泥棒しても、きっと手袋要らずだぞ」と不謹慎なことを言って、珍しがってくれました。

「うーん、この機械で読み取れないとなると困ったな。これ以上の精度の機械はないぞ。」と言うので、帰って来てからも、ずーっと心配して待ちましたが、しばらくして無事新しいグリーンカードが送られて来ました。良かったです。

 

今度の更新までに、ぜひとももっと精度の上がった指紋の採取の機械が製造されていますように。