おらが春 我が子を愛しむ正月 | nekotowerのブログ 音楽大好き

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いま読んでいる本

https://www.zkai.co.jp/books/guide/id-1205/


この本は、古文をより読めるように現代の言葉に近い、江戸時代から徐々に時代を遡って、作品の文章を取り上げています。


最初の章は

小林一茶「おらが春」


昨年の初夏に生まれた娘「さと」が1歳の誕生日を迎え、その無邪気な愛くるしさが綴られています。

一茶自身が幼い娘を宝物のように愛おしく思っているのが伝わってきます。


この文章の最後にこう記されています。


口もとより爪先まで 

愛嬌こぼれて 愛らしく

いはば

春の初草に胡蝶の戯(たわむ)るるよりも

優しくなん 覚え侍(はべ)る。


何となくでも伝わりますよね。


こちらも読みながら、

一茶が目を細めて

我が子を慈しんでる様子が

目に浮かびます。


桜ぽってりフラワー桜ぽってりフラワー桜


小林一茶自身のことを少し調べました。

江戸時代中期の人で

小さな頃に母と死別し

15歳で江戸に奉公に出されますが

立身出世とは離れた生活を送ります。


57歳の時にこの「おらが春」は執筆されました。


代表作は


目出度さもちう位也おらが春


正月のめでたさも自分にはてきとうなものだ

(意訳)


です。

知らんかったアセアセ


この句の「ちう位」は中くらい以外にも、一茶の出身地信濃の言葉で「いい加減」の意味もあるそうです。


裕福ではない一茶にとってのお正月のめでたさは格調高くなく、庶民的な一面を感じます。


そして、これから分かることは、57歳の一茶には1歳の娘がいたということ!

若くはない一茶にとって、どれだけの愛おしい我が娘でしょう🥰


また、この文には


心のうち

一点の塵も無く

名月のきらきらしく清く見ゆれば

跡無き俳優(わざおぎ)※跡継ぎがいないほどの名優

見るやうに

なかなか 心の皺を伸ばしぬ


とあり、


無邪気な我が娘を見ていたら

心に一点の塵もなく

名月のようにきらきら清らかで

心の皺が伸びた(気持ちが晴れた)


と言っています。


かわいいだけでなく、喜びを与えてくれる娘を

一茶は感じていたんですね。


愛おしさも一入。

読んでいるこちらもほっこり温かい気持ちになります。


この文を読んでいると、一茶の飾らない人柄が伝わってきます。


何とも言えない味わい深さを感じました。