七夕の今日は、大好きなシンガー、sayaさんのバースデーライブ。
場所は渋谷セルリアンタワーのライブハウス、JZ Brat Sounds of Tokyo です。
今日はsayaさん、ピアノの塩入俊哉さん、パーカッションは楯直己さん。
やはり音楽はライブが最高です。
今日もそう思いました。
始まりはサイモン&ガーファンクルでおなじみのScarborough Fair スカボローフェア。
素朴できれいなメロディ、sayaさんの澄んだ歌声がぴったり。
続いてノルウェーの歌姫、シセル・シルシェブーの Se ilden lyse 。1992年リレハンメルオリンピックの歌。大好きな歌をsayaさんの歌声で聴けてとても嬉しい。
3曲目は、曲はJon Lord の作品でsayaさんの作詞の wait a while 〜その日を信じて。
風が揺らした稲穂の群れに茜さす朝は
あなたがどこかできっと呼んでいる
という歌詞で始まるこの歌は、こんな街中であくせく日々暮らしてることにハッと気付かせてくれました。
聴いているうちに、そういった懐かしさを覚える古からの自然やら人の営みがsayaさんの歌声を通して沁みてきて、胸の奥が熱くなりました。
歌うsayaさんもいつもとは違う感じがして、その何かが伝わったような気がしました。
次の曲は名残の蝉時雨。
これも夏の風景が身に染みる感じ。
ここでもまた、日本の風景がsayaさんの歌声、塩入さんのピアノ、楯さんのパーカッションとともに伝わってきて、揺さぶってきました。
儚さ、美しさ、変わりゆくもの。
変わらないものってあるのだろうか?
続いて漂泊の旅路。
スケールが大きな、美しい響きの大和言葉が重厚感を醸し出して問いかける。
変わりゆくもの、変わらないもの
旅を終えた時 再び出会う
いつも何度でも
チャンネルsayaでカバーされてます。
sayaさんのカバーがとても好き。
生き死にのことが歌われる歌詞を聴いて、
何か自分では目を逸らそうとしてることがそこにあるように感じて。
sayaさんの歌う声を聴きながら、美しく澄んだ歌声から問いかけられてる感じがしました。
やさしいだけではないもの。
光の手紙、というオリジナルの歌詞をバルカローレというピアノ曲で歌った曲。
マイナー調のメロディーと歌うsayaさんの佇まいが、忙しさにかまけてテキトーに過ごしてる私を浮かび上がらせた気がして、恥ずかしくなった。
ピアノの塩入さんのソロコーナーは、ショパンのノクターンを二つのアレンジで。
切なくて心をぎゅーっとする旋律がやがて、男性らしい躍動感のある意志になって、会場を包んでさらって行った。いつもながら圧巻。
力強い明るさが照らしていました。
続いて楯さんのパーカッションのインプロ。
演奏の前に宇宙の銀河の話をされていました。
太陽系の惑星も軌道も、その外側の銀河も、あらゆる星たちが、とてつもないスケールの宇宙のすべてがそれぞれの方向へ動いている、など。
そのあとに演奏を聴いてたら、自分の存在や人々の営みのちっぽけさ、一人一人はそれぞれ宇宙を持ってる存在だとか。大きな存在の中で小さな存在だけど、別々だとしても一つなんだな、などと過っていました。
楯さんの演奏はメディテーションみたいなぐるっと旅をして戻ってくる感覚がとても好きです。
楯さんの作品、リタのテーマ。
sayaさんとのデュエット。
どこかケルトみたいで、スコットランドの草原みたいなイメージで聴いてました。
続いてお二人のデュエットは、先程のシセル・シルシェブーさんのデュエット曲(おそらく)
そして、その後のオペラ座の怪人。
今日のクライマックス感があって、sayaさんのボーカルが天に届くように突き抜けて、3人の演奏が登っていくようでした。
ラストは約束。
この曲はオリジナルでも代表作。
私も大好きです。
今日はsayaさんが歌詞をかみしめるように、ご自身に向けて語りかけ、内側からの声と対話して歌っているように感じました。
アンコールは、時を越えた恋文(ラブレター)
たぶん初めてライブで聴いたかも知れません。
ずっと聴きたいと思っていた一曲でした。
sayaさんはこの曲を歌う前、音楽が渇いた心に染み込んでいくと話していました。
音楽家が渇いた心に音楽が染みると語る。
それを吐露する率直さは、強さだと感じました。
歌うsayaさんは、言葉をかみしめるように歌いあげていたように感じました。
それがとても心に響いて、いつも感じることがフレームが付いたように大きくなっていました。
この曲を聴くと、戦争でフィリピンの海に飛行機と一緒に散った伯父のこと、息子を亡くした祖母のことを思い出します。
大切なことは何か、最近いろいろなことが教えてくれていて、今日のこの曲が、またそれを教えてくれたように思っています。
今の日々の生活はとても大切。
自分のあれこれもとても大切。
身近な人たちや大切な人たち。
自分の好きなこと。
みんな大切だけど、それだけでは心や魂が足りない。
心の土台には、生まれ育った日本の土地の風景、めちゃくちゃたくさんの昔々からの人たちが、今に残してくれたたくさんのものたちが生き生きとあってほしい。忘れるな私。
これはどうしようもない感じです。
七夕生まれのsayaさん、人々が見上げる星、人々を優しく照らす星のようだなと思います。
また緊急事態宣言が出そうですが、そのような時にあって、リアルなライブを開催してくださって、本当に嬉しい。ありがとうございました。
コロナ禍で辛いこと、厳しいこと、人々を分つこと、いろいろあるけど、あるからこそ、音楽が、とりわけ会場で場所と時間を共有できるライブこそが、人々を慰め、励まし、癒して、喜びと楽しさをくれる。
それは聴く人だけでなく、演奏する人たちもそう。
目に見えるものだけでなく、目に見えないものも同じくらいなくてはならない大切なもの。
本当に大切なことは何かを改めて感じさせてくれた素晴らしいライブでした。