ドリームシフト -13ページ目

向いてる方向

昔、ある先輩レスラーにこんな事を聞かれた事がある。

 

「阿部ちゃん(自分の本名です)は誰の為にプロレスをやってるんだ?」


と。

 

自分の答えにその先輩は少し斜に構えたような態度で笑い


「俺はプロモーターの為にやっている」


と言いました。

 

それも一理あります。

 

ビターテイストな大人の答え。

 

プロモーターが満足すれば、次も呼ばれるだろうしお金にもなる。大正解だと思います。

 

でも、その時の自分は


「何か嫌だな」


と思いました。

 

自分はガキの頃…小学3、4年生の時にプロレスを初めて観た時に、稲妻で打たれたような衝撃を受けました。

 

人生の中でそう何度もない、様々なカルチャーから受ける、人生や人格形成に影響を与える程の衝撃。

 

そこからプロレスに夢中になり、たくさんの驚きや感動、泣き笑いをもらい、プロレスを観る事が日常の一部、日々の生活の楽しみや支えになりました。

 

中学生の時にプロレスラーを目指そうと思った時も、試合を観てくれた人に自分がプロレスからもらった気持ちを伝えたいと思ったし、それは今でも変わりません。

 

お客さんは貴重な時間とお金を使って会場に観戦に来てくれています。

 

使うお金はチケット代だけでなく、往復交通費や食事代、グッズを買っていただいたり、更には差し入れ(本当に無理しないで下さい)をいただいたり…

 

地方在住の方などは、家から駅まで激チャリしてから電車で来てくれている方もいるでしょう(笑)。

 

観戦に来て下さるお客さんの日常生活の中では、良い事だけではなく、辛い事や悔しい事、悲しい事もあると思います。


そういった生活の中で、自分たちの試合を観に来るのを楽しみや励みにしてくれています。

大会後も売店などで「元気もらいました、明日から頑張れます」と声をかけていただく事も多いです。

 

こんな光栄な話はないです。

 

人になんと言われようと、冒頭の先輩レスラーに聞かれた時に返した答えと同じ事を今でも思っています。


今聞かれても言い返してやります。

 

「自分はお客さんの為に試合をしています」


と。


良い試合ができない事もあり、お客さんをガッカリさせてしまう時もあります。

それでも、自分が信じた事をベストを尽くしてやれば、それはきっとお客さんが喜んでくれるモノになると信じています。 

自分の試合を観てくれた方々が、少しでも元気になったり勇気を与えられたり、ハッピーになって会場を後にできますように。

レスリングセッション


11月3日(土祝)はKAIENTAI DOJOさんに出場しました。

対戦相手はガキの頃に試合を見ていたリッキー・フジ選手。

序盤は気ままに自由にレスリング。

首でも腕でも足でも、取れる所はどこでも取って行くのが自分のレスリングスタイルです。

今の選手は早くて動きがあるレスリングをする事が多いのですが(それも好きですが)、自分より上の世代の方のレスリングはドッシリしていて勉強になります。

試合しながら楽しんでもいました。

自分は試合中に楽しくなると、ある動きをするのですが、この試合でもその動きをしていました。

試合中に自分がやった投げ技はこのDDTとコンプリートショットのみ。

かつてのリッキーさんの最大のフィニッシュホールドのマキシマムオーバードライブ。

自分がバトレンジャー選手を意識している以上、リッキーさんは必ずこの技を狙ってくると思ってました。

丸め込んで凌ぐ。

最後はこちらも必殺のローリングストーン(旋回式垂直落下式ブレーンバスター)を切返し・・・

銀光の魂で丸め込み勝利。

形が崩れても強引に抑え込めるのが、この技の強みです。

自分にとってこの試合で勝利した意味は大きいです。

試合後にリッキーさんと。

ロックかジャズかはわからないけど、今日はリングでリッキーさんと素敵なレスリングのセッションができました。

本当にありがとうございました!

プロレスは人間交差点


11月3日(土祝)はKAIENTAI DOJOさんに出場。

対戦カードはリッキー・フジ選手とシングル!

リッキー選手はガキの頃に会場で試合を見たり遊んでいたゲームに出てた選手です。

そんな選手と試合をするのはロマン(^_^)。

気持ちが入る大事な試合です。

昔話になりますが、ガキの頃に

「俺がプロレスラーになったらこの人の2代目になろう」

と勝手に思っていたマスクマンの選手がいました。

当時は素顔で試合をされていたので、デビュー前に先輩を通して打診。見事に断られる。

自分がデビューしてから、某団体でその方とご一緒したのですが、緊張して中々喋れず(-_-)。

素顔で試合をしていたその方とGヴァリオンになった自分が試合をしたりもしました。

その後、ある大きな大会の時に、その方が一度だけマスクを被り、自分とタッグを組んでくれた事がありました。

あの時は嬉かったなあ。

土曜日の対戦相手、リッキー・フジ選手は当時その選手とよく試合をされていて、いつも高い壁となっていました。

自分の記憶ではバトレンジャー選手は一度も勝っていない気がします。

そんなこんなでリッキー・フジ選手にはバトレンジャー選手を通して、少し特別な思い入れを持っています。

前述の2002年にバトレンジャー選手とタッグを組んだ時の試合後、急に声をかけられ

「これやるよ」

と、着用していたマントをいただきました。

ビックリしたけど嬉しかった!(^_^)

土曜日の試合は、そのマントを入場時に着用して試合に励みたいと思います。

何気ないカードにも選手の人生や思い入れがあったりするのもプロレスの醍醐味だと思います。

ワンチャンあれば、まだバトレンジャーやりたいし(笑)、最近戦ったり組んだりしたヒート選手も当時はやりたいなと思っていました(^_^;)。

プロレスは本当に魅力的な競技です。