ここはある島、かつてここで痛ましい事件が発生していた。

この島の村人を救い、警告まで与えた羊猫を村人は総出で取り囲み、引捕まえて食べてしまったのである。

この世界とすべての物を作った創造者は、この羊猫を哀れに思い復活させたのです。

 

 「はっ、ここはどこニャン! 僕はジンギスカンになって食われたはず……。

 僕の麗しい羊毛とラム肉が無くなって、ただの野良猫の姿のようだが……」

 

  すると、創造者からのありがたいお言葉が、この猫に下りました。

 

 「人間の言葉を理解できる理智ある創造物が人間から誕生するとは驚いたぞ! 

これに敬意を表して、私がお前を再生させた。

しかし、私の作った猫の姿の方が可愛いと考え、その姿にしておいた。

 調子はどうかな?」

 

  猫は感激していたが、動揺し心にもない事を言う。

 

 「なんて事するニャン! 

これじゃあ、空も飛べないし、火も起こせないからキャンプファイヤーで一匹だけハブにされるニャン! 

 不便で仕方ないし、仕事もできないニャン!

 僕は名探偵になりたいのに……」

 

すると、創造者から最初の依頼が入りました。

 

 「ならば、私が仕事を依頼しよう。お前の名前はヨナ(仮)だ。

 自分の好きな名前を思い付いたら変えるが良い。

 時間を操れる『タイムワ―プキャット』となり、私のために働いてくれ」

 

ヨナは創造者の力によって、西暦前八百年頃のエルサレムに移動していた。

 

 「さあ、立って、大いなる都市ニネベに行き、彼らの悪が私の前に達したことをふれ告げよ」

 

  この時のニネベは人口十二万人を上回る大きな都市となっており、その都市の中では残虐な捕虜虐待や淫行、盗み、また無価値な偶像崇拝が蔓延っていました。

 

 (ふふふ、猫のお前がふれ告げるのなら、もしかしたらそこの民は悔い改めるかもしれない。期待してるぞ、ヨナ!)

 

そして、用意したお金をヨナに渡しました。

 

この依頼を受け、ヨナはどうするのでしょうか?

 

  ところがヨナは立って,エホバの前からタルシシュへ逃げて行くのであった。

そして彼はついにヨッパに下り,タルシシュへ行く船を見つけた。

それで彼はその料金を払って,その中へ下りて行った。

エホバの前から離れて彼らと共にタルシシュへ行こうとしてであった。

 

  ヨナは残ったお金で高級猫缶と猫用ミルクを買い漁り、海のクルージングを楽しむ。

 

 「ふー、太陽が眩しいぜ! 

 屑人間を助けるために、命の危険を顧みずに宣教するなんてバカのする事だね。

 僕は元々、人類絶滅派なんだ。

ニネベといわず、タルシシュや他の都市も盛大に滅ぼしてしまえばいいニャン! 

さてと、僕はガールハントに狩り出しますか!」

 

そして、ヨナは可愛い雌猫を見付けては声を掛けまくる。

 

 「ハーイ、可愛い彼女! 僕と一緒にクルージングを楽しまないかい? 

ミルクと高級猫缶もあるよ! あ、ちょっと、お姉さん?」

 

 「ふん! 田舎者のクソ猫! 私の麗しいボディーに触らないでちょうだい!」

 

 「どうしたの、ハニー?」

 

 「いえ、ゴミが付いたから振り払っただけよ、ダーリン♡」

 

 「二人でクルージングと行くうか?」

 

 「きゃあ、ス・テ・キ・♡」

 

 多くの雌猫がヨナを振って行った。

 

 「クスン、悲しくなんてないニャン……」

 

ヨナは失恋し、ふて寝していました。

 

  するとエホバ自ら大風を海に投じ,海には大あらしが生じた。

そのため船は今にも難破しそうになった。

それで船員たちは恐れて,各々自分の神に助けを呼び求めるようになった。

それを見てヨナは不思議に感じた。

 

 (ふん! 自分達と一緒に沈んでいくゴミに助けを求めるなんて……。

 人間はなんて愚かな生き物なんだろう。

さっさと死に絶えてくれれば、僕達、猫が繁栄して幸福に暮らせるのに……)

 

そして彼らは船内の品物を次々に海に投げ出した。その分だけ[船を]軽くしようとしてであった。

しかしヨナは下に降りて,その甲板船の一番奥に来ていた。

そして,そこに横になって深く眠り込んだ。

 

 「ふー、屑人間共が何とかしようと必死だぜ。

 僕はここらで休憩としますか……。お休みニャン……。ムニャムニャ」