ライオスがファリンを見つけ出し、蘇生への希望が出てきたが、マルシルが蘇生所に持って行くまでにはファリンの魂と肉体が離れてしまうと警告する。

 

 

ファリンを生き返らせるには、蘇生術士を連れて来て、大量の血肉で蘇らせるしかない。

魂は肉体と切っても切れない関係にあり、魂が存在しないという人もいますが、人が死んだ場合に少しだけ体重が軽くなることから魂がある可能性もゼロではありません。

 

マルシルとライオスは、その場で蘇生させるための準備としてファリンの骨とワーグの骨を組み立て始めます。一見ワーグの骨は必要ない気もしますが、ファリンの骨とワーグの骨と取り違える危険を防げます。ワーグの骨が混ざった場合は、多少蘇生後の形が歪んでしまうのでしょう。

 

マルシルの知識により、順調にファリンの骨が完成していき、蘇生の準備が整います。

ちなみに、ダンジョン飯の世界では13分の1以上の部分が残っていれば蘇生可能ですが、人骨の重さは体重の18%から20%ほどです。なんとか蘇れるギリギリの範囲だったようです。

 

 

マルシルが言うには、古代魔術らしいですが、いかにも黒魔術的な蘇生シーンが展開されます。

ドロドロの血がファリンの骨に纏わり付き、徐々に人間の形を成していきます。

いかにもファンタジーな蘇生方法ですが、現実でもバカにはできない蘇生方法です。

 

 

現実世界にはIPS細胞と呼ばれる万能細胞が発見されており、マウスから人体を作り出す研究がなされています。今のところ治療で豚から作った臓器を使用する例が成功していますが、このIPS細胞を応用すれば、人間の蘇生は可能かもしれません。

 

IPS細胞を大量に培養し、装置に流し入れて電気信号などで人体の肉や骨、内臓などになるように刺激を与えてやれば、人体を再生させることは可能なはずです。ただし、双子やクローンのように別人格を持った人間が誕生する危険も高いのですが……。

 

そこから、また魂という概念に取り組まなければならないでしょう。人体を100%蘇生したとしても、どのように魂から人体が影響を受けているかです。生前に生きていた記憶媒体から直接人体に記憶や情報を与えれば、元の人間になることも可能かもしれません。

 

実際に、IPS細胞から丸々人間一人を蘇生させた場合に、本人の人格になるのか、別の人格になるかでいろいろと研究方法も変わってくるでしょうね。望みとしては、自分の細胞が100%蘇生したら人格も自分と同じモノが望ましいですが……。

 

マルシルは古代魔術によりファリンを蘇生させたかに見えました。

ちなみに、この時にマルシルは髪の毛を下ろしており、それを見たライオスが彼女に惚れたという描写が現れています。

 

 

魔術師としての妖艶な姿が魔物を彷彿させたのでしょうか?

ライオスの記憶の中では、髪を下ろしたマルシルが最高に素敵なようです。

チルチャックやセンシの存在も確認して、無事に蘇生させられたように見えるのですが……。

 

 

ウィザードリーならば、「ファリンが蘇生した。見た所問題なく蘇生したように見えるが、なにか違和感を感じる。ライオス達はしばらく様子を見ることにした」というセリフが入って、ファリンがパーティーには加わっていない状態でしょうね。