ダンジョン飯で一番良く分からないのが、島主です。ダンジョンが出たら冒険だっ!という話ではなく、明確な利益目的でダンジョンを捜索させています。

 

ライオス達やカブルーは、自分達の目的があるかもしれませんが、調査を依頼された冒険者(つまり契約労働者)という感じです。ダンジョン内で得た宝や宝石は冒険者の物ですが、ダンジョン内の遺跡を調査して依頼された物は報告する義務や物品を渡す必要があります。

 

タンスさんが島主にアドバイスしているので、最初はダンジョン経営などする気もなかったですが、徐々にダンジョンの凄さを理解して、不死の術やダンジョンの設計図を得ようと考えます。

 

ある意味でこの島主が無知で良かったのですが、もしも貪欲にダンジョン内の秘密や魔術を取り入れようとしていたら、無理にでも冒険者を説得して攻略を推し進めている事でしょう。

 

そうなったら、凄腕の冒険者同士の報酬の奪い合いやダンジョン内での殺人なども膨大な量に膨れ上がっていたでしょう。

 

タンスさんから勧められている程度で、ダンジョンの冒険者への優遇措置程度で済んでいたのは、ライオス達には有り難い程度でしょう。初心者冒険者も徐々に育っていき、他のライバル関係もそこまでギスギスする事はないので、協力関係の状態を保てます。

 

しかし、西方のエルフが来れば、ダンジョン内の勢力図は一変して変わります。いわば、アマチュア冒険者だけで楽しんでいたところに、プロの冒険家がダンジョンを攻略しに来るような状況です。

 

宝物やダンジョンの秘密も攻略して、夢のダンジョンだった黄金城が、一気にただの廃墟になってしまう可能性もあるでしょう。それだけに、エルフ達の襲来は嫌われていました。

 

ナマリは、転移の魔法が慣れていないのか、ダンジョンから外へ出ると気分が悪くなります。

タンスさんの優しいところは、ナマリが回復したところで報酬を与えるところです。並みの冒険者なら放置して、その後に金が奪われても責任はナマリにあると言うでしょう。

 

回復したナマリとキキ達は、蘇生所に行ってファリンの捜索を頼みます。おそらく一定の金が支払わないと捜索もできない状況なのでしょう。ライオス達は当然していませんし、ナマリも金がなかったので捜索をこの時まで頼めなかったのでしょう。

 

そして、ナマリとカカとキキで食事をしている時に、ダンジョン内の不死の術によって感覚が麻痺していることを告げます。ダンジョン内に不死の術がかかっていて、大抵の人間は体の修復ができれば生き返るのですが、まれに生き返れない状態もある事を告げます。

 

 

それは、体の13分の1の状態まで失ってしまう事です。焼死やバラバラなど色々な状況がありますが、迷宮内での調査によって、13分の1までなら蘇生は可能ですが、それ以降は魂が離れてしまうため蘇生は困難なようです。

 

 

レッドドラゴンは炎も吐き、焼死になって仕舞えば、蘇生も困難になります。それが、のちのちのレッドドラゴン戦で蘇生可能かの分岐点である事が、この話から伏線として出てきたように思えます。