今回は、オークが登場する場面の感想を書いていきます。
ライオス達がゴーレムから野菜を収穫して、食べ切れないのでダンジョン内で引き取ってもらえるところを探します。
ライオス達のツテで野菜を交換してくれる所へ行くのですが、ダンジョン内の商人はがめつく、財宝しか興味がありません。商人は、ライオス達ともめているうちに、強奪のために侵入したオークに殺されて、ライオス達はオークに捕まってしまいました。
センシとオークは顔見知りのようですが、今回は強制的に野菜を奪われてしまいます。
しかし、この出会いがファリン救出のカギを握っており、彼らと出会わなければファリンはそのまま死んでいたでしょう。
ライオス達はかなり警戒していますが、センシは冗談を言えるほどオークと打ち解けているようです。命でもと言ってる場面から、オークの頭が賢いことを知っているのでしょう。オークのアジトへ行き、パンを作る展開になっていきます。
ライオスはこの時、野菜を鎧の中に入れていたので、野菜鎧という言葉が作られました。
ほぼタッチの差ですが、オークの子供が見ていた事から、ダンジョン飯最終巻で野菜鎧と言っていたのは、オークの子供だと思います。あっ、この辺はネタバレ注意です。
マルシルとオークは、犬猿の仲なのか、パンを作りながらケンカし始めます。パン作りこそ手伝ってくれるものの、オーク側からは人間とエルフが自分達の土地を追いやられたことを話し、マルシルはオークが先に略奪をしたためと反論しました。
エルフやオークが実は、人種や国籍が違うだけで偏見が見て取れる良いシーンですね。
日本人も昔は、アメリカ人を見てオークやオーガのように感じていた事でしょう。
今の世界は、寿命や子孫を残すことに影響はほとんど出ませんが、ダンジョン飯の世界では寿命と子孫を残す事は多種族間ではほぼ不可能な状態で描かれています。
例えば、エルフと人間が子供を産んだ場合、ダンジョン飯の世界では一番寿命が長くなるかわりに、子孫は産めない状態になっています。
多種族間の結婚が数少ないケースを示すと同時に、古代の人の考え方がちょっと見えてきますね。おそらく古代では、自分の種族が一番優秀で、それ以外は劣等種という考え方があったのでしょう。
それゆえに、自分の種族と劣等種が結婚した場合、最悪な結果になり子孫繁栄も途絶えるという偏見が出回っていたのでしょうね。一番分かりやすい偏見は、インドのカースト制であり、バラモンと奴隷は結婚する事ができませんでした。
今でも、インド文化や宗教観には影響を及ぼしていて、奴隷は特に選択権は無いに等しいです。
エルフのような寿命差はないですが、バラモンのように裕福な環境で生活している人と使い捨てのような奴隷を比べた場合、エルフ500歳と人間60歳となるのは仕方ない事でしょう。
バラモンを100歳前後で死ぬと予想した場合、奴隷は平均寿命12歳程度で死んでいる計算になります。子供を助ける医療技術も施されませんし、かなりリアルな数字ですよね……( ;∀;)
オークとライオス達が仲良くなって、レッドドラゴンのいるアジトの場所を聞き出す事ができました。これで、一気に冒険するエリアが狭められたのは、この後の展開としては大変貴重な情報だったのです。