2019年3月17日、カンボジアの北西部シェムリアップ州で恐ろしい事件が発生しました。

カンボジアに住むタクシー運転手の40歳男性が、何者かにナイフで首を切られて殺害された。

のどをナイフで切り裂かれており、その後遺体を放置して逃走するという残忍な手口だった。

 

犯人は午後5時ごろに、825バーツ(約3300円)アメリカドルで支払った可能性もあるで被害者のヒム・チャンさんをタクシー運転手として人気の無い場所に移動するように頼んだ。

 

彼らが選んだのはシェムリアップを出て、タイの国境近くのバンテアイミエンチェイ州だったという。30分ほどすると、タクシーは人通りの少ない地域に辿り着き、犯人達はナイフで車を止めるように脅した。

 

ヒムさんは犯人の言う通りに行動するが、犯人は無慈悲にもヒムさんをすぐに襲って殺害したようだ。ヒムさんは即死で、犯人は彼の遺体を投げ捨てて、車を奪い逃走した。しかし、犯人は車を300メートルほど走らせたものの、村人のトラックに衝突して車が動かなくなった。

 

犯人が逃げようとしているよりも早くに警察が到着して、2人組の犯人を逮捕したという。

犯人はなんと日本人の若者23歳の2人で、シェムリアップで車を強奪しようとすることを考えていたという。

 

 

しかし、防犯カメラの量に驚愕し、都市部では不可能と思い、人気のない街で犯行に及んだようだ。事件直後から、ネットで2人の容疑者の写真やパスポート写真が出回ったという、確かに、日本人のパスポートだった。

 

だが、カンボジアの間では、日本人が犯罪を犯したとは考えられなかったようだ。

日本人のパスポートを持った別の国の人間だという話が至る所で出ていた。

 

日本人は、海外ではかなりのレベルで信用されており、「日本人がこんな理不尽で残忍な事件を起こすはずがない」というカンボジア社会の日本人に対する信頼や親愛の情があったようだ。

それだけに、日本人が犯罪を犯した事実は衝撃的だったようだ。

 

日本はまだ海外や東南アジアなどでは恵まれており、犯罪を犯してまで金銭を要求するとは考えなかったらしい。事件が明るみになっても、犯人が日本人ではないと主張する人もいる。

 

 

カンボジアでは、バスや列車などはまだあまり普及しておらず、タクシーが日常の主要な乗り物なのだ。なので、タクシー運転手が大金を持っているはずはないのだが、日本人の若者はそのことも知らなかったらしい。

 

タクシーもお金を稼ぐ手段として借金などをして、ようやく買ったに違いないのである。家族を養う為に必要以上に働いて、なんとか手に入れた車だったのだ。カンボジアの人なら誰でも知っている現実を、日本人の2人には理解できていないようだ。

 

 

日本人の若者は、ネットで情報を得ていたようだが、ネットで知り得た情報と現実で知った情報とでは大きな違いがある。実際に目で見て学んで、自分で苦労や痛みも感じなければ、ただの野生の獣と同じだ。

 

カンボジアの人は貧しいかもしれないが、それだけに自分で苦労して手に入れた物も大切にしているのだ。他人の物を奪って生きている人間など、その物の価値を本当の意味で理解していない。

 

日本人は、積み重ねた苦労や技術の上に、国際関係の信頼を確立して来れたのだ。これからもずっと苦労と技術を駆使して、国際関係でも良い信頼関係を築き上げていきたいものだ。

 

ちなみに、タクシー運転手の家族には、日本からもたくさんの寄付が寄せられた。

奪われてしまった命は戻ってこないが、寄付のお金でしばらくは家族の生活を支えていけるという。子供達や家族は、これから幸せになって欲しいと願いますね。

 

 

 

 

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