インドネシアは宗教大国でもあり、ヒジャブ(黒いベール)で肌を隠したり、豚肉を食べなかったり、その他いろいろイスラム教の厳粛なルールを守って生活している人が多いです。そんな中でも、ひっそりと存在を続けていたのが黒魔術師という存在でした。

 

そんな日本人からしてみれば大道芸人か、手品を極めた奇術師程度だろうと思われるでしょうが、中には凄惨な事件へと陥る場合もあります。

1997年のある日、人力車を引いていた少年アンドレアスは道で若い女性に呼び止められました。

乗り込んできたのは、21歳のケマラ・デウィという女性でした。


アンドレアスはケマラを乗せ走り出し、行き先を尋ねましたが、彼女は進む方向を指し示すものの、具体的な行き先を教えたがらないのです。

 

少し不振に思いながらもしばらく進んでいくと、彼女は小さい声でぼそりと

『アーマードのところへ行く』といいました。


それを聞いて彼はなぜ彼女が行き先を伝えるのをためらっていたのかすぐに理解しました。
アーマード・スラジというのはこの地域では有名な黒魔術師だったからです。

このアーマード・スラジへ行ったのが、彼女の人生を大きく変えてしまったのです。

 

大半の人々がムスリムであるインドネシアにおいて、黒魔術信仰はさげすまれ、馬鹿にされる対象だったようです。人前で大きな声で話せることではなかったようです。

 

しかし、インドネシアでは、いまだに黒魔術を信じ、その力にすがろうとする人々はひっそりと、しかし少なからず存在していました。

 

人々は、恋を叶えるためや、旦那の浮気性をやめさせるためや、もっと美しくなるため、もっとお金持ちになるなどの願いのために、こっそり黒魔術師のところへおもむくのでした。

 

ケマラの願いがなんだったのか、それは誰にもわかっていません。なぜならこの少年の目撃を最後に彼女の消息が完全に途絶えてしまったからです。

 

この町の黒魔術師アーマード・スラジと言えば、誰もが知る有名人でした。一般的に日陰の存在である黒魔術でしたが、この町での彼の評判は意外にも非常に良かったといいます。

 

彼には不思議な力があり、雲を消すことでき、天気を自由に操ることができると信じられていました。うん、ちょっとしょぼいな……。


ケマラの消息がわからなくってから、3日後、ある青年がサトウキビ畑に怪しく盛り上がった土を発見し、異臭がするので、警察に報告しました。

 

警察は、あまり親切には対応せず、どうせ動物とか埋まっていると思っていました。自分たちで掘るように指示をして、動物だったら連絡してこないように言いました。人間の骨とか例外だった場合だけまた連絡して来るように言いました。

 

ちょっと信じられない雑な対応をしてきたのですが、動物が埋められるなんて日常茶飯事なのでしょう。そこで善人なる市民である青年は仲間と一緒にそこを掘ってみることにしました。

 

すると掘ってみてびっくり、人間の腐乱死体が出てきたのです。

しかも死体は一体ではありませんでした。


ケマラの母親は、遺体の足を見ただけですぐにそれが娘だと気付き、その瞬間その場に膝から崩れ落ちてしまいました。足だけでわかるのは、すごいですね。

 

なぜ、ケマラという女性はこんなところに埋まっていたのでしょうか? あの魔術師が関わっているとは、最初は思われなかったようです。

 

寝ぼけていた警察も飛び上がり、すぐさま捜査に入りました。最初に出てきた車夫のアンドレアスがおそらく最後のまたは、最後から二人目の彼女に会った人物だというになりました。アンドレアスは彼女がためらいながらも彼に告げた行き先を警察に伝えました。

黒魔術師アーマード・スラジのところです。

警察に尋問されて最初はしらを切っていたアーマードでしたが、彼の自宅からはケマラの衣服、ハンドバッグ、ブレスレットが見つかり、ついにケマラ殺人の罪を認め始めました。

 

アーマードの家からはケマラの所持物以外にも女性ものの衣服がざくざく見つかりました。

まさに、日本で言うところの鬼滅の刃みたいな殺人事件ですね。

 


彼の告白した殺人の数は18人でしたが、そこからしばらくすると、
26人、、、あぁー31人、、、いや実は37人、、、えっと本当は42人となり、ついに42人を殺害したと自供しました。

 


彼の犯行動機は、1986年のある日、死んだ父親が夢に出てきたことに関係しているようです。
父親は、70人の女性の死体から唾液を飲むのだと告げたと言います。

 

70人の女性の唾液を飲むことができたら、今よりもっと素晴らしく強い魔法の力をさずかることができる。


その言葉を聞いて彼は、それを実行することに決めた。
夢の中でも70人の女性を殺して、その唾液を飲めとは言われていないはずなのですが、彼は死んだ女性を探すより自分で殺した方が早いと考え、殺人というオプションを勝手に付け加えます。

 

最初のころは行方不明になっても大して捜索されない売春婦をターゲットにしました。

彼女たちをだましては、殺害し、その唾液をすすったといいます。

 

その内、恋に悩んだりもっと美しくなりたいという悩みを抱え誰にも打ち明けずこっそりと彼を訪ねてきた女性をも手にかけるようになりました。

 

頼んで唾液でも出させた方が早い気がするのだが……。

その殺害手口は黒魔術師という立場をたくみに利用した卑怯なものでした。

 

まず、儀式の一環だといい、女性の体を半分、腰まで、土に埋めるのです。逃げられない状態になった女性の首に電気コードやロープをかけ締め上げて殺しました。それから唾液をすすったのです

 

いや、魔術と称して唾液くらい出させた方が早いだろ。謎過ぎる殺人動機。こうなると夢の中のお父さんが悪いとか、そいつが諸悪の根源だっ!とか言えなくなって来るな。

単純にアーマードに殺人癖があったのかもしれん。

 

腐敗を早めるために衣服を脱がし、遺体を自身の所有地であるサトウキビ畑に埋めなおしました。なぜかすべての遺体の頭は彼の家の方角を向いて埋められていました。そうすることでさらに強い力が得られると信じていた可能性があります。

 

これは、ある意味日本の犬神の作り方に似ていますね。

犬神は、飢えた犬を地面に埋めて首だけ出し、エサを置いて食欲を出させてから殺して呪いを増幅させる儀式です。勝手になぞのアレンジをした感じですかね。

 

42人の女性の殺害で逮捕されたアーマードは、悪びれるそぶりを全くみせなかったそうです。

また、彼は少し前でこそ、有能な魔術師としてあがめられていましたが、過去を見てみるとつまらない犯罪で捕まったりもしてるみたいですね。


さらに、彼には3人の妻がいたのですが、ちなみにその3人の妻は実の姉妹です。

その3人はアーマードが殺しをしていたのを知っていたし、さらには手伝ったとして、終身刑になっています。おい、止めろよ。

 

 

1986年から1997年の11年間の間に42人の女性を連続して殺害した黒魔術師シリアルキラー、アーマード自身は死刑を宣告され、2008年に銃殺刑によって死にました。インドネシアの黒歴史に名前を刻んでしまいましたね。

 

自分の奥さんの唾液でも飲んで満足してれば良いのに、なぜか殺人にまで至ったのだろうか?

黒魔術をやっていると段々と物事の判断基準が付かなくなり、大犯罪を犯してしまうのかもしれませんね。というわけで怪しい魔術師には近付かないようにしましょう。

 

女性一人での訪問などもっての外です。

さもないと、あなたも謎の儀式の犠牲になってしまうかもしれませんよ……((((;゚Д゚)))))))

黒魔術とか全然出てこんかった……。呪い殺すこともできんとは……。

ぷれみあむ白猫パンチよりも圧倒的に下位の存在ですね( ^ω^ )

 

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