タイ北部スコタイの寺院近くで日本人女性が首などを刺されて死亡しているのが見つかった。3週間ほど1人でタイを旅行していたと見られ、ブログには「タイ人めっちゃいい人ばっかり!」「めっちゃいいとこ!!」などとタイに対する好印象を綴っていた。
現地メディアでは、殺害のほかに性的な暴行をされていた可能性があると報じられており、あまりに残酷な結末になってしまったようだ。
楽しい雰囲気で旅行を楽しんでいたはずなのに、何が原因でこのような凄惨な事件になってしまったのだろうか?
複数の現地紙などによれば、女性の遺体は2007年11月25日にタイ北部スコタイの寺院近くの参道脇の草むらで見つかったそうです。
この女性は大阪府在住で劇団員をしている川下智子さん(27)とみられ、首や腹に刺された跡があったといいます(´;ω;`)。
川下さんは2007年11月24日の晩にスコタイで行われた祭りに参加したあと、翌25日の深夜2時にゲストハウスを訪れたが、満員だったため荷物を残して立ち去ったという。
25日7時に自転車を借りた姿が目撃されている。
川下さんはその後、自転車で遺跡めぐりをしていたようだ。
現地メディア「The Nation」によれば、殺害された可能性があるのは「午前9時から10時半のあいだ」で、当局が犯人は川下さんを待ち伏せしたあと、強盗し性的な暴行をしたと見ていると報じています。
タイ当局は、同国への観光産業への風評被害を防ぐためにも捜査に全力を挙げているようで、すでにDNA鑑定などを始めているらしい。
川下智子さんは大阪の小劇団「空晴」に所属しており、同劇団のブログに、タイでの体験を死亡する10日ほど前まで綴っていた。(ブログは現在では閉鎖している)
ブログによれば、川下さんは11月3日ごろにタイに入国した模様で、その数日後にバンコクから映画「戦場に架ける橋」の舞台カンチャナブリーに訪れ、「のどかですごくいいところです」と書いている。
その翌日にはチェンマイを訪れ、
「今日はぶらぶら町を見て歩き、今ナイトバザール(絵文字)を見て帰ってきました。チェンマイのナイトバザールはバンコクと違ってちょっとおとなしめ」
と綴っているという。
さらに、その数日後には、
「出国するときは、『私なんでタイに行くことにしたんやろ?タイってどうなん??ええとこなん?』なんて思ってたけど。めっちゃええとこ!!(絵文字)人はいい人ばっかりやし(絵文字)、ご飯(絵文字)はおいしいし、楽しいこといっぱいあるし(絵文字)、犬(絵文字)もみんなええ奴やし!(中略)、今日は竹を簡単につなげただけのいかだに乗って川を下って帰ってきました。もの凄く楽しい!!」
とも述べており、タイにかなりの好印象を持ったことが伺える。
いったいこの数日でどんな事件に巻き込まれてしまったのだろうか?
タイ旅行を安全に楽しみたいのなら、知っておく必要はあるだろう。
さらに11月15日のブログでは、チェンマイ南部に移動し、現地の親切な人の誘導で、「象使い学校」で象乗りを体験できた様子などが綴られ、
「バンコクからチェンマイに向かう途中だというタイ人の女性が、ヒッチハイクをしていたわけでもないのに、わざわざ私の所にバックしてくれて『乗らないかい?(絵文字)』っていってくれたんです!まさに神様降臨!!(絵文字)車中ではウェルターズオリジナル(飴)を一包み(六個入りくらい)をくれて(絵文字)、さらに良さげなゲストハウスの近くまで連れて行ってくれました。なんやろ。タイ人めっちゃいい人ばっかり!たくさんの人に助けられながら旅してるな~」
などと書かれている。
最後のブログに書かれた「感謝感謝の旅はまだまだ続きます!この先もいい出会いがありますように」という言葉は、スコータイでの川下さんの結末を知っている者からすればあまりに痛々しいものだった。
タイ在住のある日本人男性はJ-CASTニュースに対し、「日本で思われているほどタイは危険なところではないと思う」と語る。
「日中でしかも、スコータイは観光地として有名なのだから、ひったくりやぼったくりぐらいしか普通は考えられない。日本人が、引ったくりに遭うならまだしも、殺されるなんてびっくりだ」
この男性によれば、タイでは日本人女性の一人旅はそれほど珍しくなく、女性のバックパッカーも「結構いる」という。
それほど現地では、「危険」という認識を持つような状況でもないらしい。しかし、外務省の発表では、殺人事件・強姦事件ともに日本の数倍の発生率だというデータもある。
川下さんが劇団員だったこともあり、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の「ミクシィ(mixi)」では川下さんの知人やファンと思われる人の日記には、
「あの黒目がちで可愛らしくて元気いっぱいだった川下さんがこんな事件で亡くなったなんて信じられない」
「何故夢に生きている、前途ある人が殺されなければいけないのか」
などと悲しみが綴られているという。
特別捜査局は、17年前の日本人観光客殺害事件の犯人逮捕につながる情報を提供した者に、200万バーツの懸賞金を設けました。
この事件は、2007年にスコータイ県の寺院境内で遺体で発見された川下智子さんの殺人犯を捜すためのタイ警察による新たな取り組みでもあります。
被害者の父親、康明さんは今も悲しみに暮れており、未解決の娘殺害事件に関するDSIの捜査の進展を要求するため、先日再びタイ入りしています。
彼と妻は、事件現場となったその場に花を手向けながら涙を流し、娘への思い出を語りました。
タイの殺人罪の時効は20年で、川下さん殺害事件は時効まで残り3年9か月となりました。
そんな中の2024年2月15日に川下さんの父親がタイを訪れて法務大臣と面会し、事件の早期解決と時効の撤廃を訴えたとのことです。
川下さんの父親は、新型コロナウイルスのパンデミック前までは毎年タイを訪れていましたが。コロナも明け、川下さんの父親は先週にタイに到着し、スコータイの事件現場を再訪しました。
川下さん殺害事件について、タイ人男性379人からDNAサンプルが採取されましたが、事件現場で見つかったものと一致するものは見つかりませんでした。
伝えられるところによれば、川下さんが死亡した頃に一緒にいたところを目撃されたとされる日本人旅行者は、DNAサンプルの提供を拒否し、出国したとされています。
2020年、タイ当局はより高度なDNA検査法を適用。その結果、容疑者は遺伝的にタイ人ではないことが判明したとのことです。
この事件はどうやら真相が分からないまま時効を迎えてしまったようです。
彼女が残しているように、真犯人はタイ人ではなく、一緒に旅行していた日本人の中にいたのかもしれません。
皆さんも、旅行に行く時は最新の注意を払ってくださいね。
もしかしたら、身近なあの人が真犯人という結末もあり得なくはありませんから……((((;゚Д゚)))))))