インドネシアは、中国に次いでアジアでは2番目に新型コロナウイルスの感染による死者が多い国となっている。
しかし、ジョコ・ウィドド大統領を含む国の指導者たちは、パンデミックへの反応が遅く、首都ジャカルタでは2週間のオフィス閉鎖や5人以上の集会が禁じられたものの、住民らに外出自粛を命じてはいなかった。
そこで、インドネシアではユニークな対策が実行されたようだ。
迷信深いインドネシアのジャワ島では、伝説の幽霊「ポチョン(pocong)」に扮装した若者が住民を怖がらせて外出を留まらせているという。
政府の対策では、外出する人の数があまり減っていないことから、中部ジャワ州スコハルジョ県ケプー村では、地域住民自らが危機管理を行うことにしたようだ。
それは、伝説の幽霊「ポチョン」(インドネシア語はほぼローマ字読みなのだが、”co””の場合チョと発音することがほとんどなので、ポコンではなくポチョンが正確な発音だそうだ)を出動させ、人々に外出自粛を促すというものだった。
「ポチョン」とは、ジャワ島に古くから伝わる死者の魂を表す幽霊で、墓場から飛び出すように出没し、頭と足の先を縛った姿で飛び跳ねながら移動するのが特徴のようだ。
迷信を信じる地元の人々はこのポチョンを非常に恐れているため、今回地元警察と協力したボランティアの若者たちが、遺体を埋葬する時と同じように白い布に全身を包み、顔は幽霊に見えるように青白いメイクを施してポチョンに扮装。外出する人々らを驚かせ、自宅に留まるように促す作戦を実施した。
最初は、突然地域に出現したポチョンに驚いた人々だったが、ボランティアの演出と知ると、逆に「生きたポチョン」を見たさに外に出てくる人が増えてしまった。
実際に撮られたというポチョンの写真、これは警察ではありません((((;゚Д゚)))))))
そこで、2~3日に1度の奇襲作戦に切り替えたところ、これがなかなかの効果を上げ、現在では、大人も子供も外出が激減し、通りに集まって話をする人もいなくなったという。
なおインドネシアでは、現時点ではロックダウン(封鎖)措置を取っておらず、政府は住民らに社会的距離の実行と良好な衛生管理を保つよう促している。