猫様が眠る時、顔を手で隠したり、床にうずめたりする姿を見たことがありますか?その愛らしい仕草は、まるで「ごめんね」と謝っているように見えることから、いつしか「ごめん寝」と呼ばれるようになりました。この仕草は、多くの飼い主さんの心をくすぐる、猫様ならではの可愛らしい寝方の一つです。

 

しかし、この「ごめん寝」には、猫様の心や体の状態を伝える大切なメッセージが隠されています。今回は、「ごめん寝」の本当の理由とただかわいいだけではない、似たような姿勢が、実は病気のサインである可能性についてもご紹介します。

 

我が家のもちは顔を擦り付けて寝るのがすきなので、まれにこの「ごめん寝」をすることがあります。インスタで病気かも…という心配のメッセージを頂いたこともありましたが、ただ単に気持ちよく寝てただけでした(笑)

なぜ猫様は「ごめん寝」をするの?その3つの理由

猫様が「ごめん寝」をするのは、彼らの本能や生理的な理由に基づく、非常に理にかなった行動です。

1. 安心感とリラックスのサイン

猫様は、眠っている時が最も無防備な状態になります。そのため、野生の本能から、外敵に襲われないよう、自分の急所である顔や腹部を隠す習性があります。顔を手で覆ったり、うずめたりする「ごめん寝」の姿勢は、まさにこの本能に基づいています。

 

この姿勢で眠れるということは、「この場所は安全だ」「外敵の心配はない」と心から感じている証拠です。特に、飼い主さんのそばや、お気に入りのベッド、安心できる場所で「ごめん寝」をしていたら、それは最高の信頼とリラックスのサインです。

 2. まぶしさから目を守るため

猫様の目は、人間の数倍も光に敏感にできています。夜行性(厳密には薄明薄暮性)の習性を持つ猫様は、わずかな光でも物を見通すことができる反面、強い光は苦手です。

 

そのため、明るい場所で眠る時、顔や目を隠すことで、まぶしさを軽減しようとします。これは、より深く、質の高い眠りにつくための工夫です。日中の日差しが強い窓辺や、照明のついた部屋で「ごめん寝」をしていたら、単に「ちょっとまぶしいな」と感じているだけかもしれません。

3. 体温調節のため

猫様は自分で体温をコントロールするのが非常に得意な動物です。顔を手で覆ったり、顔を床にうずめたりする姿勢は、体温調節にも役立っています。

寒い季節や冷房の効いた部屋でこの姿勢をしていたら、冷たい空気から鼻や顔を守り、体温の低下を防いでいる可能性があります。逆に、暑い時には顔を隠さずに伸びて寝たり、お腹を見せて寝たりするなど、体から熱を放出しようとします。

注意が必要な「ごめん寝」:似ているけど違う、病気のサイン

「ごめん寝」は基本的に安心とリラックスのサインですが、中には注意が必要なケースもあります。もし、ごめん寝の姿勢がいつもと少し違ったり、他の症状が見られたりする場合は、病気のサインである可能性も考慮しなければなりません。

 

特に注意が必要なのは、次に挙げるような、ごめん寝に似た姿勢です。

1. ぐったりと動かない

ぐったりと力が抜けたように「ごめん寝」の姿勢で動かず、体を触っても反応が鈍い場合は、単なる眠りではないかもしれません。脱力感や、体のどこかに痛みを感じている可能性があります。

2. 呼吸の異常が見られる

呼吸が荒い、速い、口を開けて呼吸している、などの異常が見られる場合は、呼吸器系の問題や、心臓病などのサインである可能性があります。この姿勢で苦しそうにしている場合は、すぐに動物病院を受診してください。

3. 頭を壁や床に押し付けている(ヘッドプレス)

「ごめん寝」と最も混同されやすいのが、この「ヘッドプレス」と呼ばれる行動です。ごめん寝が顔を床にうずめるのに対し、ヘッドプレスは頭のてっぺんを壁や家具などに強く押し付けている状態を指します。

 

この行動は、脳や神経系の重篤な疾患(脳炎、脳腫瘍、脳卒中、肝臓病など)のサインである可能性が非常に高く、命に関わる危険な状態です。ごめん寝との違いをしっかり見分け、このサインが見られたら、一刻も早く動物病院に連れて行く必要があります。

 

ごめん寝は猫様が自発的に行っている愛らしい仕草ですが、ヘッドプレスは体の異常を訴えるために、無意識的に行ってしまう行動です。この二つは、全く異なる状態であることを覚えておきましょう。

まとめ

猫様の「ごめん寝」は、基本的に安心とリラックスの証であり、飼い主さんを信頼しているからこそ見せてくれる、愛すべき行動です。

 

しかし、その裏に隠された病気のサインを見逃さないためにも、やはり観察!もし、ごめん寝の姿勢に加えて、食欲不振、嘔吐、ぐったり感などの他の症状が見られたり、特に「ヘッドプレス」の行動が見られたりした場合は、迷わず動物病院を受診してください。

 

 

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あなたの猫様は、あなたが食べているものに興味を持ちますか?昔実家で飼っていたシロ(元野良猫)は、父の晩酌の時、横で待機してお刺身を猫パンチで狩ってゲットしていました。こんな姿を見ると「少しだけ分けてあげたいな」と思うのが飼い主さんの気持ちですよね。しかし、ちょっと待ってください。私たち人間にとっては何気ない食べ物でも、猫様にとっては命に関わるほどの危険な毒になることがあるのです。

 

猫様と人間では、体の仕組みや代謝能力が大きく異なります。人間は消化・分解できる成分でも、猫様の体内では毒素として蓄積されてしまうことがあるのです。今回は、猫様の命を守るために、絶対に与えてはいけない危険な食べ物について、その理由とともに詳しく解説します。

これだけは絶対にNG!危険な食べ物リスト

 1. ネギ類(玉ねぎ、長ねぎ、にんにく、ニラ、ラッキョウなど)

ネギ類は、猫に与えてはいけない食べ物の中でも、特に有名なものです。これらに含まれる「アリルプロピルジスルフィド」という成分が、猫の赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こします。赤血球が壊れると、体中に酸素を運ぶことができなくなり、最悪の場合、命を落とす危険性があります。

 

怖いのは、生でも加熱しても、みじん切りにしても、成分が分解されないことです。ハンバーグやスープなど、人間が食べる料理に少量含まれているだけでも危険です。絶対に与えないように徹底しましょう。

 2. チョコレート・ココア

猫様の体は、チョコレートに含まれる「テオブロミン」という成分をうまく分解できません。この成分は、猫の中枢神経を刺激し、心臓や消化器系に深刻な悪影響を及ぼします。

 

中毒症状としては、嘔吐、下痢、心拍数の増加、興奮、不整脈、そして重症になると痙攣や心臓発作を引き起こすことがあります。チョコレートの濃度が高いほど危険性が高まるため、特にカカオ含有量の多いダークチョコレートは絶対に猫の手の届かない場所に保管してください。

3. アルコール

猫様の肝臓は、アルコールを分解する機能が非常に低いため、ビールやワイン、日本酒などはもちろんのこと、アルコールを含む料理やケーキなども、ごく少量でも急性アルコール中毒を引き起こす可能性があります。

 

中毒症状としては、嘔吐、意識障害、呼吸困難、最悪の場合は昏睡状態に陥り、命に関わることもあります。絶対に舐めさせないように注意しましょう。

4. ブドウ・レーズン

ブドウやレーズンも、猫様に与えてはいけない危険な食べ物です。まだ明確な原因物質は特定されていませんが、これらを摂取することで急性腎不全を引き起こす可能性があることが分かっています。

 

たった一粒でも危険なケースがあるため、ブドウやレーズン、それらが使われているパンやジュースも、絶対に与えてはいけません。

5. カフェイン

コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインも、猫様の中枢神経を刺激し、心臓に大きな負担をかけます。

 

心拍数の増加、不整脈、興奮、ふるえなどの症状が現れ、重症化すると命に関わることもあります。人間が飲む飲み物はもちろん、カフェインを含むお菓子なども与えないようにしましょう。

6. 生の肉・魚介類

「猫は魚が好き」というイメージがありますが、生の魚介類や肉は、サルモネラ菌や大腸菌などの細菌に汚染されている可能性があり、食中毒を引き起こす危険性があります。

 

特に生の魚介類には、ビタミンB1(チアミン)を分解する酵素「チアミナーゼ」が含まれていることがあり、猫様がこれを大量に摂取すると、ビタミンB1欠乏症になり、痙攣や麻痺などの神経症状が現れることがあります。与える場合は、必ずしっかりと加熱しましょう。

 

うわ、昔実家にいたシロは食べてましたよ💦

7. 牛乳

「猫に牛乳」というイメージは強いですが、実は多くの猫様は乳糖(ラクトース)を分解する酵素が不足しています。そのため、人間用の牛乳を飲むと、下痢や嘔吐、消化不良などの症状を引き起こすことがあります。

 

猫様に水分や栄養を与えたい場合は、猫用のミルクや、新鮮な水を飲ませるようにしましょう。

8. キシリトール

キシリトールは、砂糖の代替品として、ガムや飴、歯磨き粉などに含まれています。猫がこれを摂取すると、インスリンが過剰に分泌され、血糖値が急激に低下し、最悪の場合は意識を失うことがあります。

 

少量でも非常に危険なため、キシリトールを含む製品は、猫様の手の届かない場所に厳重に保管してください。

9. アボカド

アボカドに含まれる「ペルシン」という成分が、中毒症状を引き起こす可能性があります。ペルシンの毒性はそこまで強くないと言われていますが、嘔吐や下痢などの症状が現れることがあるため、与えない方が安全です。

万が一、与えてしまったら?

もし猫様がこれらの危険な食べ物を口にしてしまった場合は、すぐに動物病院に連絡してください。その際、以下の情報を正確に伝えましょう。

 

食べた物の種類と量
食べた時間
猫の体重と現在の症状

 

決して、自己判断で吐かせようとしたり、様子を見ようとしたりしないでください。適切な処置は、獣医師の指示に従うことが何よりも重要です。

まとめ

猫様の「おねだり」に負けそうになる気持ちも分かりますが、人間にとって安全な食べ物が、猫様にとっては毒になることがあるということを忘れてはいけません。

猫様の健康と安全を守るためには、日頃から正しい知識を持ち、猫の食事はキャットフードを基本にすることが最も大切です。

 

 

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猫様の肉球は、プニプニとした柔らかさと、愛らしいピンク色が魅力の一つ。(うちの子たちは黒も混ざってますけど)そんな肉球をよく見ると、肉球と肉球の間にボーボーとフワフワした毛が生えていることに気づきます。

 

この毛は実は、猫様が安全に、そして快適に生活するために、非常に重要な役割を担っているのです。今回は、この毛の正体とその役割、そしてお手入れの必要性について詳しく解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

肉球の間の毛、その正体と大切な役割

肉球の間に生えているフワフワした毛は、「タフト」と呼ばれています。これは英語で「房(ふさ)」や「毛の束」を意味する言葉で、その名の通り、まるで小さな毛の房のようです。

このタフトは、猫様が狩りをする上で、そして現代の室内での生活を送る上で、欠かせな役割を持っています。

タフトの理想的な状態とは?

肉球のプニプニしたパッド部分が直接床に触れることで、地面をしっかりと捉え、グリップ力を生み出します。タフトは、この肉球の間に生えることで、パッドとパッドの間の隙間を埋め、さらに地面との摩擦を増やして、滑り止めとしての役割をサポートしています。

理想的なタフトの状態は、肉球のパッドと毛の長さがほぼ同じか、わずかに毛がはみ出る程度です。

 

この状態であれば、猫様が床を踏みしめたときに、まず肉球のパッドが床にしっかり接地し、タフトがその接地面積を広げることで、滑りにくくなるのです。

なぜ伸びすぎると滑るのか?

では、なぜタフトが伸びすぎてしまうと、かえって滑りやすくなってしまうのでしょうか?その理由は、大きく分けて2つあります。

1. 肉球が床に接地できなくなる

タフトが伸びて肉球のパッドよりも長くなってしまうと、猫様が歩く際に、肉球のパッドが床に触れる前に、毛が先に床に接地してしまいます。この状態は、まるで厚い靴下を履いてフローリングの上を歩くようなものです。

 

本来、肉球のパッドは、足に汗をかいて適度な湿り気を帯びることで、さらにグリップ力を高めています。しかし、毛が長すぎると、パッドが床に触れることができず、この重要な機能が失われてしまいます。その結果、特にフローリングやタイルなどの滑りやすい床ではバランスを崩しやすくなり、ジャンプや急な方向転換の際に、滑って転倒するリスクが高まるのです。

2. 汚れが付着しやすくなる

伸びた毛には、埃、ゴミ、トイレの砂などが絡まりやすくなります。これらの汚れが肉球の間に挟まった状態で猫が歩くと、摩擦が減り、さらに滑りやすくなってしまいます。

 

また、汚れが付着したまま放置されると、不衛生な状態になり、雑菌が繁殖しやすくなります。これが原因で、指間炎(しかんえん)や皮膚炎などの肉球トラブルを引き起こす可能性も高まります。

では、どうすればいい?

タフトのお手入れは、猫様の安全と健康を守るための大切なケアです。

お手入れの目的は、タフトの「滑り止め」という役割を最大限に活かすことです。そのため、肉球のパッドから飛び出ている毛だけを、丁寧にカットするのが基本です。

安全にできる!肉球の間の毛のお手入れ方法

タフトのお手入れは、猫様の安全と健康を守るために重要です。しかし、無理に行うとストレスを与えてしまうため、猫様が嫌がらないように、ゆっくりと慎重に行いましょう。

準備するもの

ペット用のバリカン:肉球のお手入れ専用のコンパクトなバリカンがおすすめです。刃先が丸く、肌を傷つけにくい設計になっています。

 

 

 

 

猫用おやつ:お手入れのご褒美や、気を引くために使います。

お手入れの手順とコツ

猫様をリラックスさせる: 眠そうなときや、リラックスしているときに始めましょう。落ち着いた静かな環境を選び、優しく声をかけながら行います。

 

肉球を優しく広げる: 猫様の足を優しく持ち、パッドの間に指を入れて、毛が見えるように広げます。このとき、無理に力を加えないように注意してください。

 

毛をカットする: バリカンの刃が肉球に当たらないように、パッドとパッドの間に刃を入れるように動かします。飛び出している毛だけを少しずつ丁寧に刈り取っていきましょう。

 

嫌がったら中断する: 全ての肉球を一度にやる必要はありません。もし猫様が嫌がる素振りを見せたら、無理強いせず中断し、日を改めて行いましょう。なるべくごく短時間で済ませ、日を改めて少しずつ慣れさせていくことが大切です。

バリカンでのお手入れ動画を撮っちゃいました(笑)

ちなみにこのバリカンは頂いた商品なのですが、音も小さく、痛くもなく、もちもくももタフトのカットはあまり嫌がらずにやらせてくれます。

まとめ

肉球の間の毛「タフト」は、猫様の安全と健康を支える重要な役割を担っています。しかし、その毛が伸びすぎると、本来の機能を果たせなくなるだけでなく、かえって滑りやすくなるというリスクを伴います。

 

今日から、猫様の肉球をそっとチェックして、伸びすぎてないか確認してみましょう。それは、猫様の安全を守るための、飼い主さんの大事なお仕事です。

 

※この記事は公式ブログの再掲載です。本編は👉こちら