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山の麓の八幡宮をあとにし買物して帰ることにしました。野菜がなかったので農協に行こうかなーと。
家と逆方面へ車で走り、山を越えてちょっと行ったところに農協があります。(今調べたら神社から15キロもありました!全然ちょっとじゃなかった!うちからだと23キロ!嘘でしょ結構遠かった!)
そこの農協の野菜は安いのでたくさんカゴに入れ、ほくほくしながらレジに並びました。
ナスが一袋10個くらいのと、きゅうり一袋5本くらいのと、白菜半分とネギ一袋10本くらいと、ペットボトルのほうじ茶ラテ。
170円のほうじ茶ラテが一番高いくらいみんな安かったです!
串並びで順番に2か所のレジに案内される方式で、まだコロナのなごりか間をあけて並ばされてたため列が長くなり売り物の前を通りながら待っていました。
ちょうど栗が置いてある場所で前に並んでる腰の曲がった歯のないおばあさんが栗を見ていました。
そのおばあさんはほんとに近所なのか野菜を買うとかじゃなく、コンビニで買物!みたいな感じでジュースを2本とお菓子を抱えています。
ついでに言うと片方サンダル片方スリッパだった
それで歩けるなんてめちゃくちゃ近くから来たのかも。
その時シルバーカーっていうのか、ベビーカーのお年寄り版みたいなやつを押した小柄な目の鋭いおばあさんが歯のないおばあさんに近づいて来ました。
「オゥ、なんで来たのか?」
「···。」
「歩いてきたのか?」
「えっ?!」
「歩いてきたのかって。」
「あ!あぁ、歩いてきたよ。」
歯のないおばあさんは耳が遠いようで、聞き取れなくて何度も話しかけられたのが恥ずかしかったらしく私の方を振り向いて「テヘ」っとしました!
かわいい〜
その後、目の鋭いおばあさんがジェスチャーで「」とか「お金」みたいなことをしてきたので、私の中でウーウーと警告音が鳴りました。
「まさか知り合いがいるからって横入りしてくるんじゃ??」と。
しかし、しばらくやり取りを見てるとそういう感じではなく、どうやら目の鋭いおばあさんが歯のないおばあさんに「ここの栗は高いから買うなよ」と言ってるようでした。だからジェスチャーで言ってたのか。お店の人に聞かれたら気まずいもんね。
そのうち歯のないおばあさんが会計し、私も隣のレジで買物しました。
会計して店を出ると歯のないおばあさんが出入り口のあたりで立っていて、すぐ店から出てきた目の鋭いおばあさんと合流していました。
私は車に戻りほうじ茶ラテを飲み、さぁて帰るかなと前を向くとそこにはなんとさっき歯のないおばあさんと話してた目の鋭いおばあさんが車のすぐそばに立って手招きしてるではありませんか!
エエ〜!?瞬間移動?
コワっ!とかたまっていると
「ちょっと!降りてきて!」
と、しつこく言ってきます。
(私、なんかやったかな?それとも歯のないおばあさんになにかあった?)
色々なことを考えつつ車を降りました。
「どうかしましたか?」
と、聞くと
シルバーカーを指して
「300円!」
と、言うのです。
「え?」
「300円だよ!」
こっわ!何が?
「栗だよ。あそこの栗、高いだろ?これは朝取ったやつで300円でいいよ。」
どういうこと?えぇー?私、押し売りされてる?
パカッとシルバーカーを開けるとビニール袋に栗らしき何かが入っていました。
ちょっと気弱な私はこういう時早く逃れたいから300円くらいなら買おうかな?となるとこでしたが、ちょっと栗は無理なのです。栗の加工品は好きですが栗自体は好きじゃないのです。
しかも栗の食べ方なんて知りません。
「えぇと、栗はどうやって食べるんですか?」
と、聞いてみました。
「えぇ??」
と、目の鋭いおばあさんは思ってもみないことを言われたようで驚いています。
まさかこんな田舎にいる人が栗の食べ方を知らないとは思わなかったんでしょうね。
「栗は茹でて食べればいいんだよ。」
「でも、皮剥いたり大変ですよね。」
「そんなの簡単だよ。」
「いえ、たぶん買っても食べないと思います。」
「好きじゃないんだー!はぁ〜〜!ならいいや!」
目の鋭いおばあさんはスタスタと他の車の方へ行ってしまいました。
めちゃくちゃ怖いんですけど!
これってヤバいやつですよね?
農協にチクったら目の鋭いおばあさんは怒られるやつですよね!?
歯のないおばあさんとは知り合いじゃなかったみたいです。
きっと話しかけてくれたから買い物したあとお話しようと思ってたら
「300円!」
って言われたからガッカリしてすぐ帰っちゃったんでしょうね。かわいそう
まぁまぁ長く生きててこんなことは初めてだったので怖かったけど、面白い経験でした