こんばんは、ねこあしです(*´∀`*)ノ


本日ご紹介させて頂くのは、太平洋戦争末期の沖縄を舞台に命や平和の尊さを描いた戦争ドラマ「島守の塔」



「鉄の暴風」と呼ばれた激しい空襲や艦砲射撃、そして上陸戦により、約20万人が犠牲となった太平洋戦争末期の沖縄戦。

絶望の淵に立たされながらも「命こそ宝」と訴え後世に希望を託し、軍命に従いながらも県民の命を守ろうとした戦中最後の沖縄県知事・島田叡(萩原聖人)と、職務を超えて県民を守るべく奔走した警察部長・荒井退造(村上淳)の2人と、戦争に翻弄される沖縄の人々の姿を描き出す。


息子を亡くしたのに泣かなかった知人の母親が話題に上がったとき、
「泣けないだろ。人前で泣けば息子の恥になる」
と淡々と噛みしめるように答えていた退造の母だったが、その夜布団で退造の手を握り、「退造、生きろ」と伝える。
コレが本音だ。
多くの母が、父が、戦地に赴く息子に万歳三唱を行う胸の内でどれほどの涙を流しただろう。
そして、その悲しみは決して口に出すことを許されないのだ。

国民が正しい情報を得ることが難しかった時代だけに、情報操作はしたい放題。
今考えると恐ろしい洗脳だ、見ていて気持ち悪くなった。
中でも、島田の世話役の凜(吉岡里帆)のイッちゃった感が半端ない。
「お国のため」は、もはや呪文にしか聞こえない。
そもそも神風って何だよ?
そんな偶然の産物でアメリカに勝つつもりだった時点で、現代人からすれば意味不明だ(空襲が来たら、竹槍で追い払えなどヤケクソ通り越して、ギャグにしかならない)

日本で唯一の地上戦の行われた沖縄。
それには、米兵の本土上陸への時間稼ぎという実に身勝手な事情があった。
元々、琉球王国だったのに、勝手に日本に攻め入れられ統合された挙げ句、いざとなったら尻尾切りに使われる。
何故沖縄の人たちは、あんな勝手な「お国のために」あれほどまで命を張れたのか。
捕虜上等だよ、生きてるんだぞ?
捕まったら死ねという国に、忠誠を誓う義理などない。

中高生ほどの、若い学生さんたち。
4人に一人の県民が沖縄戦で亡くなったりということは、(アメリカが上陸していない離島もあるわけだから)沖縄本島では下手したらその数値は逆転するくらいだったのではなかろうか。

全体を通して見応えのある作品だが、ラストの墓参りは蛇足🐍
どうしても入れるなら、冒頭じゃないかなぁ。
個人的には、島田と荒井の二人が洞窟を出ていくシーンでラストにして欲しかった。

余談だが、南西に約400キロの海を超えた石垣島や波照間島などの島々からなる八重山諸島
地域には、米軍は上陸せず、地上戦もなかったが、3,647人もの住民(総人口の1割相当)が死亡した「戦争マラリア」と呼ばれる「もう一つの沖縄戦」がある。
原因は、日本軍が住民たちを風土病・マラリアの有病地に強制的に移住させたことだ。
これが、「お国のため」とは片腹痛い。


今回評価は、☆☆☆☆★の3.7 
2022.7.27観賞