こんばんは、ねこあしです(*´∀`*)ノ
本日ご紹介させて頂くのは、歌舞伎の源流ともいわれる石見神楽の伝統を守りながら、島根県の清流・高津川の流域で暮らす人々の日常を綴ったヒューマンドラマ「高津川」
島根県の高津川流域。
山の上にある牧場を営む斉藤学(甲本雅裕)は、神楽の稽古をさぼりがちな息子の竜也が、近い将来ここを離れてしまうのではないかと悩んでいた。
ある日、学の母校の小学校が閉校することになり、かつてそこから巣立っていった卒業生たちの最後の運動会が開催される。
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深い山と川だけ。
霧の煙る渓谷。
どこまでも透き通る川面。
どこまでも見通せる川なんて、日本にあるのかと驚いたΣ(゜д゜
水道水よりキレイなんじゃないかしら。
圧倒的な、自然の美しさ。
そして、そこに暮らす人々。
兄の事故死以来、それから逃げるように故郷を避けてきた誠(田口浩正)
認知症で自分をわからなくなった父(高橋長英)が「2人の息子を大学に行かせるために金になるなら」と、土地を売ろうとしていることを知る。
目の前の自分が息子だとわからなくても、自分に息子がいて、子どもたちのために・・・と語る父を見て、涙がこぼれる。
「ごめんなさい・・・っ」
ぽろぽろ涙をこぼしながら謝る誠を前に、戸惑いながらも
「明日は何かいいことがある。嫌なことがあったときは、わしはそう思って生きてきた。大丈夫。生きていれば、いいことがある」
決して楽ではない暮らしを長年生き抜いてきた老人の言葉には、重みと、優しさがある。
泣き続ける誠を見ながら、学は「こちら、弁護士の先生なんだ。土地のことは、何でも相談すればいいよ」と、紹介する。
「 あれ!弁護士の先生かね!中々なれるもんじゃない。親御さんはさぞ鼻が高いでしょう」
その言葉は、そのまま父・正の気持ちが詰まっていた。
実際、誠が司法試験に合格したときには大層喜び、自分のことのように自慢していたと学から告げられる。
父は、村を飛び出してからずっと帰ってこない息子を誇りに思っていてくれたのだ。
「いつになるかわからないけど、俺必ずここに帰ってくるよ」
学に告げる誠。
オトナが子どもを守り、子たちは老いた年寄りを労る。
当たり前にあったコミュニティの中での関わりが、この地ではまだ生きていた。
雄大な景色だけでなく、このコミュニティも誇っていい立派な財産だ。
ラストの神楽の舞いも素晴らしい。
単館ですが、良い作品だと思います👏
今回評価は、☆☆☆☆★の3.5
2022.2.23鑑賞