緊急事態宣言、早くあけないかなぁ
せっかくのゴールデンウイークも自粛はつらいですね
宣言延長も確実とか言われててショック、近くの映画館の休業も
まだまだ続きそうです
新作見られないし、旧作のまとめを書いていこうっと
怖さを感じた場面いっぱいありますが、思いつくままに…
①リング
②羊たちの沈黙
③エイリアン1
④ウィッチ
⑤女王陛下のお気に入り
●以下、ネタバレいっぱいです!!ご注意を
①リング
言わずと知れたジャパニーズホラー、今ではすっかり愛されキャラに
なってしまった貞子ですが、登場当時、映画館で初見の時は
ほんっとうに最恐でした
立ち見で見た(シネコンなんて無かった頃w)のですが、ラスト近く
貞子が井戸から出てきて、こちらに一歩一歩近付いてきた時
マジで圧を感じて後づさりしたくなって… それぐらい衝撃でした
実際、前の方の座席に座ってた女性が通路にころがり落ちたのが
見えたし、映画の後のロビーで女子高生たちが一斉に携帯出して
友達に今、スゴイ怖い映画を見た!と報告していたのも、面白い思い
出です
最初は「呪いのビデオがあるんだって」というような噂から始まって
徐々に距離を詰めてくる構成が上手い
インサートされる画像がまた秀逸で、女性がただ髪をとかしてるだけ
なのに、怖かったりする
西洋ホラーとは違う精神攻撃的な、日本的ホラーの真骨頂ですね
最初は井戸だけ、次には縁に手が、そこからついに…
カウンセラーされている先生が「今、なんだか流行ってる映画なの?
患者さんが恐怖に囚われてしまって、解くのが大変」と嘆かれていた
あの井戸は深い無意識から、湧き出てくる暗い普遍的な恐怖の穴
であり通路なんでしょうね
ただ怖いだけじゃなく、母が子を救おうとする気持ち、その為に
さらに祖父母をも犠牲にしてゆくやるせなさ
悲しく、怖い作品でした
②羊たちの沈黙
この映画も怖いところ満載なんですが、中でも怖かったのが
クラリスがレクター教授が収監されている病院を訪れて
鉄格子越しに面会する場面ですね
凶悪犯罪者の監房が並ぶ、暗い通路の先の突き当りに
ポツンと置かれた椅子
う~ん、男性でも引き返したくなる状況
途中の房の男からは卑猥な言葉をかけられるし、実はここに来る
前にクラリスは院長からのセクハラめいた誘いをすり抜けてきて
いたりするんですね
鉄格子の中も、外も悪魔がうろついている
ようやく最後の房の前までくると、直立した教授に迎えられる
姿勢の良さが、逆に怖い
その目、瞬きもしない
こちらの心の底までのぞき込まれそうな強い視線
おそろしく頭が良くて狂ってる、ってこういうのものかと震えます
地獄の底で、天使が魔王に会う
世の中には、こんな形の恐怖もあるのか、と示してくれた
革命的な作品だと思います
③エイリアン1
これも革命的な宇宙船内の密室の恐怖
当時すべてが斬新でした
この後、この系統いっぱい作られましたねぇ
キャメロン監督のエイリアン2もド派手で怖くて良いですが
恐怖に限れば、リドリースコット監督の静かなこちらが好き
船内に入り込んだエイリアンが次第に成長し、襲ってくる
一人また一人クルーが消えてゆく、逃げ場のない絶望
仲間の中に、会社の意向でアンドロイドが紛れていて、クルーを
犠牲にしてもエイリアンを持ち帰ろうとするのも怖かったし
リプリーが問いただしても、解答しようとしないコンピューター
自爆を止めようとしても、機械的に制御棒が吸い込まれてゆく
光景は、SFらしい恐怖でした
一番怖かったのは、やはりラスト
母船を爆破し、逃れ切ったと思った小型船内にエイリアンを
見つける
下着姿の彼女は、気づかれないよう宇宙服に着替えて
エイリアンと対決する
若いリプリーの生きた無防備な引き締まった肉体、宇宙船の外は
冷たく果てしない外宇宙
死んでも生きても、誰も知らない彼方で、たった一人で戦う孤絶感
広すぎる空間に向き合う恐怖でした
④ウィッチ
わりと最近放送でみたのですが、かなり怖かったです
森のはずれに越してきた清教徒の一家が、長女一人を残して
…という話
日本の森はどこか優しい感じがしますが、西洋にとっては、何か
得体の知れない敵がいる場所…狼や魔女、そして悪魔が来る
森という異界のほとりで一家で遭難したようなものですね
ですが、その引っ越しのきっかけとなったのは、結局、父親が
村のコミュニティとうまくいかず、対立したから
狭量すぎることが招いた自業自得なのが、さらに息苦しい
父につき従う母は、ストレスを抱え、ヒステリックに長女を疑ったり
家族関係の緊張も高まる
慎み深く質素に暮らし、何度も神の名を唱えながら、抗うことも出来
ない速度で、どんどん魔に引き寄せられ、家族が崩壊してゆく
悪魔はウサギや双子の妹たちやヤギの中に潜む
家族が皆倒れた後、長女は黒い本が置かれたテーブルで
契約します
「見たこともない美しいものを見せてやる」
望むものはすべてかなうと
衣服を脱ぎ棄て、森に入っていく長女
静かですが、どろりとした感触のある魔の気配が強い映画でした
⑤女王陛下のお気に入り
これも最近ケーブルで見て面白かった、女王の寵愛を得ようと
争う宮廷内の女同士の戦いの話
アン女王も側近の女性たちも実在の人物とのことですが
そこはヨルゴス・アンティモス監督、衣装のデザインも自分流に
アレンジ、どこかシュールでとぼけた味わいもある不思議な作品
老いて太り、子供のように自分を制御できない不安げな女王
心にもないことを、さも本心からと装って、取り入る新参女官
何一つ真実の愛などないように見えて、幼馴染の側近とは、本当の
思いがあるのですが、結局女王は、騙されて幼馴染を遠ざける
そういった権謀術数や嫉妬ももちろん怖いですけど
最後に勝って慢心した女官が、ペットのうさぎを靴で踏んで遊んで
いることに気づいた女王が、すべてを察する場面も怖いです
足を揉むように命じる女王
しゃがんだ女官の頭を掴み、押さえつける
所詮、おまえは仕える者、自分は女王と思い知らせるのですね
人の寵愛を競う虚しさ、を感じる怖いラストでした