たぶん、というかおそらく、我が家の子供は優しい部類に入ると思います。

 
まあ、小3の時にお父さんが死ぬかも、なんて境遇になったら、反抗期をとばすか、一気にグレるかのどちらかでしょう。
 
実はこの時、ハッキリと病気のことを子供に伝えたわけではありません。
 
おなかに悪い虫がいて、それを取らなきゃいけない。
 
そんな伝え方だったと思います。
 
相手が子供だと思って、オブラートに包んだのです。
今から思えば、全部ちゃんと話しておけばよかったと思ってます。
 
勝手にこちらが情報を制限するのは子供にとってよいことなのでしょうか?
 
例えば、インターネットの閲覧制限。
 
おそらく、ほとんどの家庭では制限をかけていると思います。
でも、その制限って誰が決めるんでしょう。
 
例えば、犯罪に関することとか、アングラな世界とか、何歳になったら解除します?
 
我が家は、子供用のPCに制限はかけているのですが、タブレットや嫁さんのPCには制限がかかってません。
なので、見ようと思えばそれほど苦労しなくても見られます。
 
その代わりに、ネットに関する注意事項を繰り返し教えました。
そして、最後は自己責任という言い方で、見るも見ないも自分で決めなさいと話しています。
 
今は中学生なので、隠れてコソコソ何をしているかは想像つきますが、間違った道に行くとは思ってません。
むしろ、ネットを使えばこんなことができる、あんなことができると学び始めているようです。
 
一応、形ばかりの制限は高校生になったら解除します。
 
この制限は、親が子供を心配しているんだよ、というポーズです。
 
結局の所、親と子供の関係性が全てです。信用して全てOKとするか、信用せずにすべてダメというか。
 
病状について嘘をついたのは、私が小3の子供を信用できなかったというわけです。
ところが、結局、子供は私ががんであることを知っていましたし、相当厳しい病状であることも認識していました。
夫婦の会話や、テレビや新聞などから情報を得て、理解していたようです。
 
だったら、自分の口からハッキリ言うべきだったと後悔しました。
 
なので、転移をして余命6ヶ月といわれた今回は、ハッキリと全てを話しました。
 
がんがお腹全体に広がっている。
一般的にはあと半年しか生きられない。
がんを殺す薬はやらない。
でも、子供が成人するまでは頑張りたい。
 
子供は泣くようなことはありませんでした。それどころか
「大丈夫だよ。死なないから。家の手伝いとか、お父さんの面倒も見るよ」
と言ってくれました。
 
そこで「ありがとう」と言わずに「ホントか?」と言ってしまうのが私の悪いところです。
 
実際に私が具合悪くて寝込んでいると、何か必要なものない?とか声をかけてくれます。
荷物も進んで自分で持ってくれるし、私に無理をさせないように気をつけてくれています。
最近では嫁さんの代わりに低糖質の料理を作ってくれるようになりました。(まだあまり美味しくはない)
 
勉強はそれほどできないけど、多分育て方は間違ってはいなかったのではないかと思っています。