前にちょっと書きましたが、余命宣告以降、多少の不便を強いられています。

 

その中でも一番の負担なのが「糖質制限」。

 

がん界隈では有名なこの糖質制限、なぜなのか?

糖質制限でがんを殺す、的な発想は昔からあったと思うけど、おそらく爆発的なブームを起こしたのはこの論文であろうかと思う。

 

要約すると、ブドウ糖過多の状態だと、あるタンパク質が過剰生産される。そしてこのタンパク質は腫瘍細胞の成長と分裂を促進するというもの。
※要約しすぎ。詳細は論文を読んでね。

 

う~ん、まあ、実験室ではそうなんだろうけど、複雑な代謝を行っている人体でも同じなのかどうかはよく分からん。


さらにそれを裏付けるのが、最近では結構一般化しているPET検査。この検査はがんがブドウ糖を正常な細胞より多く取り込むという性質を利用してがんの位置を把握するもの。

 

つまり、がんはブドウ糖をより多く吸収する、ということだ。

イコール、ブドウ糖を断てば、がんは増殖できないのではないか!

 

が、まて。だったら、みんなPET検査受ければ、がんは早期発見できるはず。

 

でも、現実はそうじゃない。がんはブドウ糖がなくても生存できることが分かっている。

 

それでも信じたいことを信じるのが人間というもの。

嫁さんにいたってはすっかりその気になってしまって、少しでも(健康的に)長く生きるために糖質制限を提案してきたのです。

 

ここまで読んでもらえれば、私が糖質制限に懐疑的なのは分かると思いますが、でも、結果的には結構厳しい糖質制限をしています。

 

なぜか?

 

それは結局の所、私が何のために生きるのか、という問いの答えです。

 

私は家族のために生きているのです。

自分がもし天涯孤独であったなら、好きなものを好きなだけ食べて、いつお迎えが来ようがかまわない、と考えたかもしれません。

 

でも、私が少しでも長く生きることは家族の希望であり、それは私の意思とは無関係なところにあるのです。

 

だから、生きて欲しいと願う人の要求にできる限り沿う。それ以外に私の選択肢はありません。

 

一ヶ月でも健康的に長く生きれば、その分、お金を家族に残せる。

一週間でも健康的に長く生きれば、その分、子供の成長を見ることができる。

一日でも健康的に長く生きれば、その分、嫁さんと何気ない会話をすることができる。

 

ただそれだけです。

 

それでもやっぱり、ラーメンやチャーハンは食べたくて仕方ないんですけどね...