芸能人の病気報道を受けて | ロウな日々を目指して

ロウな日々を目指して

何かに駆られるような日々じゃなくて、1日家にいたけどまいいんじゃない、って思えるわたしにしたい。

2年前、自室で倒れ、救急車で運ばれ、そのまま入院と緊急手術となって2年が経つ。実家を出てまだ10日も経たない日のことだった。入院から6日は嘔吐と頭痛でもがき苦しみ、記憶は一切ない。コロナ真っ最中で、面会不可。訳の分からないままの入院生活も、手術当日も、ICUから戻った時も、退院が決まるまでの果てしなく感じる虚無な日々も、すべて一人で過ごした。

 

あれから2年経った今も、薬は毎日飲むし、月に一回の通院、年に一度のMRI。手術は成功して、再発の可能性はないと医師からお墨付きをもらっても、なくならないだるさ、倦怠感、虚無感、脱力感。辛い。悲しい。あまりに以前の自分と変わってしまった。「新しい自分で生きる」なんて、そんな美しい考え方をできるほどの希望を私は持ち合わせていない。

 

最近、よく昔、昔の人たちが夢に出てくる。高校時代の部活の先輩。きっと好きだった人。夢で彼は、あの時のまま若くてやさしい。ああ、若かった。楽しかった。生きてるだけでキラキラしてた。こんな解雇主義者みたいになるなんて、よっぽど現実から目を背けていたいんだろうな、私。でも、夢の中だけでもウキウキとして、久しぶりに目覚めは良かった。意外と単純っちゃ単純。

 

学生時代はずっと運動部で、社会に出てからもスポーツは続けていた。健康には自信があった。毎日1時間半かけて会社に通って、週末はライブや旅行に行って、また月曜から働いて。そんな自分がいたなんて嘘のように思う。もう2年もこうしているから、自分が怠け病なのではと思えてくる。

 

一人暮らしも強制終了して、こんな年でも実家で暮らさざるを得ないのが一番辛い。本当に両親に申し訳なく思う。毎日、生きてるだけだな、と感じる。明日も、明後日も今日と同じような抑揚のない1日がやってくるのだろう。現実が、あまりにも過去の自分や世の人と違い過ぎる。

 

どっかのだれかを羨んで、道行く人片っ端から恨んで歩いている。みんないいな、仕事して家族がいて、こうして休日になんでもないランチや旅行を楽しむことが出来る。私には、遠く遠い世界の出来事になってしまった。

 

私は、きっとまだ全然、今の自分を受け入れていない。
 

今日も、やろうと思っていた半分もしないまま、ベッドに横になっていた。もう少しだけ、やろう・・・そう奮起して、PCを開いたら、飛び込んできた、芸能人の病気の報道。トップニュースになっていた体操のお兄さんの記事。それに関連して目にした女優さんや若い歌手?の記事も目に留まった。病名は違うけど、同じ難病指定の病気らしい。公表は前だったらしいけど、その時は気が付かなかった。

 

とても気持ちがふさぎ込んでいる今日、立て続けに目にしたことに縁というか、意味があるような気がしてくる。こんな華々しい世界の人たちも、一般の世界の片隅の私と同じように苦しんでいる。と思ったらふわっとやる気が沸いた。今日は、あと少しだけ、やろうとしてたことやろう、と決めた。