お盆だから | 猫の閻魔帳

猫の閻魔帳

あたい、ウニ。
今日も、ママとの生活を書き込んでいくわ。

 あたい、ウニ。

 

 

 お兄ちゃんがお気に入りのクッションに座ってみたの。

 

 中々いいわね音譜ラブラブ

 

 お話は変わるけど、もうお盆ね…。

 

 ご先祖様をお招きしたり、感謝をしたり…。

 

 お出かけしている人もいるかも知れないわ…。

 

 お盆になると思い出す…。

 

 ママはあたいたちと出会う前に、2匹の猫さんたちと一緒に暮らしていたの。

 

 あたいたちがママと出会う前に逝ってしまった猫さんたち…。

 

 ママはとても可愛がっていたし、猫さんたちもママが好きだったみたい。

 

 そのお猫さんたちにあたい、会ったことがあるの。

 

 ママには内緒ね♡

 

 ◆ ◆ ◆

 

 あれは、10年以上も前…。

 

 表に出たいというお兄ちゃんのために(でも、表には出したくない)マンションの屋上で遊ばせてもらっていたの(マンションは4階)

 

 でね、前にも話したことがあるかもしれないんだけど、あたいその屋上から落っこちちゃったの。

 

 

 このぐらいのとき↑ 眸(め)がママに「お前嫌い、見るなって」言ってるわね^ー^

 

 屋上のフェンスには穴が空いていて、あたい、その隙間から建物と建物を間の梁を渡っていてーー。

 

 紐はついていたんだけど、あたい、解いてしまって、一瞬の隙(す)きを突くをついて、梁へゴー。

 

 その時のあたいは高いとろろがとても好きで。毎日、フェンスから顔をのぞかせては、階下の様子を見ていたの。

 

 だって、普段はあんなに大きくて怖い人間が小さく見えてーー。

 

 今ならヤれるとか思って、ほくそ笑んでいたの。

 

 ママは危ないから、ってあたいを呼んだんだけどーー。

 

 あたいがママの言うことなんか聞くわけないじゃない?

 

 ママが追いかけてこれないことを知ったあたいは、ママを小馬鹿にしようとくるっと、40センチぐらいの梁で、くるりと1回転。

 

 で、バランスを崩して落っこちちゃったの。

 

 紐が仇になったわね。

 

 痛ッ! って思ったときには、あたい、知らないところにいたの。

 

 そこは本当にきれいな場所。

 

 芝生の緑もイキイキしていてキラキラ

 

 近くに小川があって、少し離れた所には虹色に輝く小さな橋があってーー。

 

 で、あたい思ったの。

 

 あの橋を渡らなきゃってーー。

 

 あそこを渡れば、愉しいことがあるって。

 

 あたい、歩いたわ。

 

 そうしたらーー。

 

「どこへ行くんだい。お嬢ちゃん」

 

 って、声をかけられたの。

 

 背中がキジ猫のーーそれがギャー先輩。

 

 

 いきなり話しかけられ、あたいビックリ。

 

 だって、コレまであたいがお話をしたことがるのは、お兄ちゃんだけなんですもの。

 

 あたい、無視することにしたわ。

 

「大人の猫は怖い、姿を見たら身を隠しなさい」って、お母ちゃまに言われていたからーー。

 

「ねぇ、どこへいくんだい?」

 

 あたい、無視。

 

「僕はギャー、君の名前は?」

 

「あたいはウニよ。話しかけないで頂戴」

 

「そう言わないで、少し話をしようよ」

 

 あたいは、あの虹の橋に急いだわ。

 

 厄介事はゴメンなの。

 

 

 目の前に回り込み、お腹を見せるギャー先輩(ピンクのシーツは芝生に脳内変換してね♪)

 

 あたい、またまたビックリ。

 

 だって、子猫とはいえ、知らない猫にお腹を見せるなんて…。

 

「なによ、あたいは急いでいるよ」

 

 この小川を渡ったら、愉しいことがあるはずなのよ。

 

「ねぇ、ウニちゃん、君はこの小川を超えるつもりかい? あの虹の橋を渡って?」

 

 傍らを通り過ぎたあたいについてくるギャー先輩。

 

「そうよ、悪い?」

 

 歩みを止めないあたいと、追ってくるギャー先輩。

 

「悪いも何も、この橋を渡ってしまったら、帰れなくなるよ」

 

「帰れなくなるって、何処に?」

 

 あたいは歩みを止めてギャー先輩を見たわ。

 

 あたいはお母ちゃまとお別れしてからとても寂しい思いをしているの。人間とお兄ちゃんは良くしてくれるけど、あたいは毎日寂しくて、お母ちゃまが、兄妹たちが恋しくてーー。

 

 でも、この小川を渡らなかったら、またお母ちゃまたちに会えるのかしら…。

 

「君にご飯をくれる人間のところさ」

 

 ギャー先輩の言葉に、あたいはそっぽを向いたわ。

 

 だって、ご飯だけもらえても、あたいは癒やされないわ。

 

 ソレに、あの人間のこと、あたいよく知らないんですもの。

 

 でも、小川の向こうなら、なにか愉しいことがありそうなんですもの。

 

「まぁ、まぁーそんなことを言わないで、帰りたくても帰れない猫だっているんだよ」

 

「なら、代わってあげる」

 

 あたいは歩きだしたわ。

 

「人間の傍にいようとしたんだ、でも体が限界だったんだ、人間も、僕たちも一生懸命頑張ったんだけど、寿命が来てしまったんだ、でも君ならまだーー」

 

 言葉を切ったギャー先輩の視線の先には、一匹の巨大猫。

 

 

 あたいを見つめる冷ややかな視線。

 

 なによ、怖いじゃないの。

 

 いつからいたの?

 

「あのお猫様は”いくら”大先生、とっても強いんだーー僕は何回投げ飛ばされ、ボコボコにされたことかーー」

 

 身を竦(すく)ませたあたいに声をかけるギャー先輩、その眸が、遠くを見つめていたわ。

 

「ーーいくら大先生は病気になって、病院に掛かって、辛い治療もして頑張ったんだ、ついでも僕も頑張ったんだ、でもお別れしなくちゃぁいけなかったんだ、君はまだ戻れるんだ…」

 

「うるさいのよッ! あたいはあんな人間、どうでもいいよッ! あたいは、あの橋を渡るーー」

 

 最後まで言葉を発することができなかったわ。

 

「いいから、さっさと戻れやー!」

 

 その言葉と当時に、あたいはものすごい猫パンチを頬に受け、意識を失ってしまったの。

 

 ソレはすごい、稲妻のような猫パンチだったわ…。

 

◆ ◆ ◆

 

 で、次に意識を取り戻したときには、元の体に戻っていたってわけ。

 

 戻ると同時に、また激痛に襲われたわけなんだけどーー。

 

 あたい、5階分の高さから落っこちゃったから、骨盤を欠けさせてしまってーー。

 

 骨が皮膚を破って外部に出る。

 ↓

 腱(けん)に引っ張られて、骨が中途半端な位置に戻る。

 

 で、ものすごく痛かったのよ。

 

 でも、あの猫パンチに比べたら…。

 

 あの後、病院に連れて行かれて手術というものをして、今に至るわけなんだけど…。

 

 ギャー先輩たちのことは、ママには内緒ね。ママったらヤキモチ焼きなのよ。

 

 ママはあたいたちも好きだけど、これまで一緒にいた猫さんたちが全員大好き。

 

 

 ずっと、一緒にいたかった。

 

 いくら大先生も、ギャー先輩もよく頑張ってくれたって…。

 

 たまに、あたいたちを撫でながら、ママは遠い目をするときがあるの…。

 

 

 お盆だから、ちょっと昔のことを思い出しちゃった。

 

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 ■ ■ ■

 

 おまけ。

 

 ギャー先輩がいくら大先生を敬うのはね、ギャー先輩が野良猫で、ベランダでご飯をもらっていたときに、たまに外に脱獄する、健康体、体重MAX7.2kgの喧嘩猫。いくら大先生にボコボコにされていたからなんですって。

 

 でもね、一緒に暮らすときに、ママがいくら大先生に「もうすぐお引越し、このまま離れ離れになってしまったら、このニャンコは生きては行けないと思うので、保護しようと思います、なので、暴力は振るわないようによろしくおねがいします」って、土下座して(本当に土下座をしたのよ)説得してくれたから、暴力は振るわれなかったんですって。

 

 いくら大先生は、人間の言葉が解る、そして実行する素晴らしいお猫様だったんですって。

 

 

 17年、闘病5年、頑張ってくれてありがとう←これはママより。

 

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 ■ ■ ■

 

 今日もたくさんの「いいね」をありがとう。

 

 皆さんにはきっといいことがあるわ。

 

 今年のお盆は台風直撃ね、無理な外出はあまりしないで、お家でお買い物もお勧めね。

 

 あら、ママちゃんはお仕事なんですって。

 

 下僕って大変ねニヤリ