先週……?
だったのかすら、記憶があいまいなのですが……。
わたしは。
柵(さく)に閉じ込められている動物たちと、アイアンゴーレムを見つけました
そして。
助けをもとめて叫ぶ、ヒトも。
何かにおびえ、逃げていく彼を追って……。
…………
……
とりあえず。
「たすけて~。たすけて~」
「あ。見つけた」
ぶじに発見
だけど。
「ブス……、助けを呼んだらブスがきたよ」
「落ちついてください。ブスじゃありません、主人公ですよ」
どうも様子が変です。
「いたいよー、どうしてこんなことするのー? いやだよー、もっといきていたいよー」
「落ちついて。何があったんですか?」
何が……。
「ようこそ、ワタシの村へ」
「だれ?」
…………
……
気がつくと、わたしも柵の中に。
「あれ?」
いつ、気を失ったんだろう……。
「首のうしろをチョップされたりしたっけ?」
「…………」
「安心して。こんな柵、すぐ壊せるから」
だれの村か知らないけど、ここはマイクラの世界
木でできた物は、斧(おの)でかんたんに壊せるのです
って……。
かばんに入れていた斧が……、なくなってる
っていうか……。
かばんごと、なくなってる
「…………」
「やっぱり壊せない。ごめんね」
木の柵は、ずっと叩いてたら素手でも壊せます。
だがしかし!
この季節は素手で叩くとふだんの100倍痛いので、とても無理なのです
…………
……
やがて、日は落ち。
「お~い! だれかいませんか~!」
最悪です。このままだと、みんな凍え死んでしまいます……。
そのとき。
「カランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカランカラン!」
(また鐘の音……?)
「あ! 毒入りスープだよっ!」
助かりました。
これを飲んで死んだら、もう寒くなくなります
「わあ、毒いっぱい入ってるよ」
「オマエは主人公じゃないんだよ、ブス」
「うん。わたしは、他の人たちの人生のエキストラだし」
「はやく飲めよ。この革パンツ泥棒め」
「うん。ごめんね」
…………
……
悪行は、じぶんに返ってくるそうです……。
そして。
善行も……。
つづく
【おまけ】
Aimer 『I beg you』