僕は、そのまま滋くんと愛ちゃんと一緒に自由を迎えに行った。
保育園の窓から自由の姿が見えた。
自由は、翔太くんと一緒に遊んでいた。
「あ、小野寺さん。
今日は、遅かったですね」
保育園の先生がそう言って苦笑いを浮かべる。
「すみません……
色々ありまして……」
「いえ、いいんですよ。
自由ちゃん。パパが迎えに来ましたよー」
保育園の先生がそう言うと自由が、僕の顔を見ると駆け寄ってくる。
「自由寂しかっ――」
「滋くんだー」
自由は、僕のことを無視して滋くんの足を抱きしめる。
「よう!」
滋くんがニッコリと笑う。
「愛ちゃんも、お久しぶり!」
自由が、そう言って愛ちゃんを抱きしめる。
「自由……?」
僕は、自由の名前を呼んでみる。
すると自由は、そっぽを向く。
「ふーんだ。
自由の事を忘れる浮気者のことなんて知りませんよー」
自由は、自由なりに拗ねているみたいだった。
ちょっとお父さん的にはショックだ。
「あらあらあら。
自由ちゃんパパもタジタジね」
翔太くんママが、ニッコリと笑いながら現れる。
「翔太くんママ……?」
「翔太くんママも自由とパパを待ってくれていたのー」
自由が、そう言って笑う。
「そうですか……
すみません」
「いいんですよー
翔太も家に帰ったら暇ですしね」
翔太くんママが、そう言うと翔太くんは愛ちゃんの方を見ている。
「だーれー?」
「私?」
「うん」
「私、水木 愛。
貴方は?」
「響 翔太」
翔太くんが照れ笑いを浮かべる。
「あー。
恋の予感?」
自由が茶化す。
「ち、違うもん!」
翔太くんが涙目で言う。
「違うの―?」
今度は、愛ちゃんが涙目になる。
「えー
僕どうすればいいのー?」
翔太くんの戸惑いが面白く僕たちはクスクスと笑った。