スローライフ~第八章:自由な君へ…… 02 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

 僕は、そのまま滋くんと愛ちゃんと一緒に自由を迎えに行った。
 保育園の窓から自由の姿が見えた。
 自由は、翔太くんと一緒に遊んでいた。
「あ、小野寺さん。
 今日は、遅かったですね」
 保育園の先生がそう言って苦笑いを浮かべる。
「すみません……
 色々ありまして……」
「いえ、いいんですよ。
 自由ちゃん。パパが迎えに来ましたよー」
 保育園の先生がそう言うと自由が、僕の顔を見ると駆け寄ってくる。
「自由寂しかっ――」
「滋くんだー」
 自由は、僕のことを無視して滋くんの足を抱きしめる。
「よう!」
 滋くんがニッコリと笑う。
「愛ちゃんも、お久しぶり!」
 自由が、そう言って愛ちゃんを抱きしめる。
「自由……?」
 僕は、自由の名前を呼んでみる。
 すると自由は、そっぽを向く。
「ふーんだ。
 自由の事を忘れる浮気者のことなんて知りませんよー」
 自由は、自由なりに拗ねているみたいだった。
 ちょっとお父さん的にはショックだ。
「あらあらあら。
 自由ちゃんパパもタジタジね」
 翔太くんママが、ニッコリと笑いながら現れる。
「翔太くんママ……?」
「翔太くんママも自由とパパを待ってくれていたのー」
 自由が、そう言って笑う。
「そうですか……
 すみません」
「いいんですよー
 翔太も家に帰ったら暇ですしね」
 翔太くんママが、そう言うと翔太くんは愛ちゃんの方を見ている。
「だーれー?」
「私?」
「うん」
「私、水木 愛。
 貴方は?」
「響 翔太」
 翔太くんが照れ笑いを浮かべる。
「あー。
 恋の予感?」
 自由が茶化す。
「ち、違うもん!」
 翔太くんが涙目で言う。
「違うの―?」
 今度は、愛ちゃんが涙目になる。
「えー
 僕どうすればいいのー?」
 翔太くんの戸惑いが面白く僕たちはクスクスと笑った。