スローライフ~第七章:自由の世界 01 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

 そして、夜の10時を過ぎた。
 自由と翔太くんは眠っている。
「さて、そろそろ帰るか……」
 百道くんがそう言うと翔太くんママが、驚く。
「あら、ヤダ。
 もうこんな時間なのね」
「道子さん、とんかつごちそうさまでした」
 百道くんが、頭を下げる。
「ああ、美味しかった。
 道子さんごちそうさま」
 滋くんもお礼を言った。
「なんか意外だな」
 僕がそう言うと海夜さんが、首を傾げる。
「なにがや?」
「百道くんや滋くん。
 思ったより礼儀正しい」
「武道は、礼に始まり礼に終わるからな。
 これくらいは出来るさ」
 滋くんがそう言うと百道くんもうなずく。
「そっか、ふたりとも偉いぞ!」
 僕が、そう言ったところで自由がまぶたをこすり僕の方に来る。
「パパ、帰るの?」
「うん。
 もう夜も遅いしね」
「そっか」
 自由は、ゆっくりと僕の方に歩み寄る。
「パパ、おんぶ……」
「はいはい」
 僕は、そう言って自由を背をう。
「こうやってみると……
 親子って感じだね」
 美樹さんがそう言うと僕は少し嬉しくなった。
「そっかな?」
「せやな。
 顔は似てへんけどな。
 性格はなんかそっくりや」
「そう?」
「意地が悪いところもな」
 百道くんが笑った。
「え?僕って意地悪い?」
「自覚ないんか?」
 海夜さんが笑う。
「でも、優しいとろこもありますよ?」
 翔太くんママが、そう言ってくれる。
「基本、小野寺って意地悪だよね。
 でも、ノリがいいし遊んでくれるところは、他の教師とかとは違うかな」
 美樹さんが、そう言って苦笑いを浮かべた。
「え?教師は生徒と遊ばないの?」
「基本上から目線だよな。
 まぁ、小野寺も上から目線だけど、誰に対しても上から目線って感じだけどな」
 百道くんが、そう言ってケラケラ笑う。
「パパー
 自由、おねむー」
 自由が、僕の耳元で小さく呟く。
「ああ。そうだね。
 みんな、そろそろ帰ろうか」
「ああ。
 そうだな」
 百道くんが、そう言うと僕たちは翔太くんの家を跡にした。